川崎市は7日、ライフサイエンス分野の研究機関の集積が進む川崎区殿町3丁目地区の国際戦略拠点「キングスカイフロント」で施設整備に伴う投資額が概算で1千億円に上るとの見通しを明らかにした。
自動車工場跡地を整備した殿町地区は羽田空港の対岸に位置し、現在、実中研再生医療・新薬開発センター、川崎生命科学・環境研究センター、ナノ医療イノベーションセンターなどの4施設が稼働中。今後、国立医薬品食品衛生研究所やサイバーダイン、ペプチドリームなどが進出する予定で、2016年度に一気に整備が進む見通し。
市の試算はすでに立地した施設の実績を踏まえ、今後進出する施設が準工業地域の容積率200%に対して140%を活用し、1平方メートル当たり50万円の投資を行うと仮定。稼働中の区画も含め12区画全体(約13・6ヘクタール)で1千億円程度の投資が見込まれるとした。
同日の市議会本会議で自民党の原典之氏(中原区)の代表質問に対し、瀧峠雅介総合企画局長は拠点形成に伴う経済効果について「企業集積に伴い地価や固定資産税などの上昇のほか、就業人口のさらなる増加が見込まれる。戦略拠点形成の取り組みの推進で経済効果はより広く波及すると考えている」と述べた。