地域課題の解決に役立つオープンデータ(行政の持つ大量の行政情報)を使った新しいビジネスの創出を目指し、コミュニティービジネスに詳しい専門家が中小・ベンチャー企業の相談にのるマッチングイベントが横浜市内で行われている。事業プラン発表会と、事業者を支援する相談会の2本立てで、成長が期待される産業分野の事業展開に向け、模索が続いている。
NPO法人横浜コミュニティデザイン・ラボ(横浜市中区)の主催。自治体と民間をオープンデータで結ぶことで、地域の課題解決や活性化がどれだけ図れるかに着目した経済産業省の事業にも位置付けられている。
小規模事業者の経営課題として、人員や費用などが不足して大規模マーケティングや情報収集が難しい面がある。これに対し、同イベントでは「目利き役」のコミュニティービジネスに詳しい専門家や行政関係者らが事業内容を検証。ビッグデータの活用方法や、個々の状況に応じて別の専門機関などを紹介した。
11月30日にフォーラム南太田(同市南区)で開かれた第1弾のイベントは、健康や福祉をターゲットに実施。食生活を意識したセルフメディケーションの普及事業や産後ヘルパー訪問サービスの事業拡大など、六つの事業に関する発表と経営診断が繰り広げられた。新たな社会課題として同市が支援策を探る「ダブルケア」(育児と介護の同時進行)に直面する人たちを支える事業の提案もあった。
経産省情報政策課情報プロジェクト室の馬上征人係長は「今後のビジネス展開に今回できたつながりを生かし、地域課題解決の視点を持ったビジネスを広げてもらえれば」と総括した。
16日にはスマートシティ・観光MICE分野を対象に同様の催し(参加事業者は締め切り済み)が行われる予定。