2020年の東京五輪を目指し、4Kや8Kの高精細画像といった次世代向け映像制作技術への参入が、電機メーカー以外にも広がりをみせている。半導体総合商社のパルテック(横浜市港北区)は、4Kから8Kに解像度をアップできる半導体の新技術を開発した。千葉・幕張メッセで20日まで行われた映像製作技術の大規模展示会「2015年国際放送機器展」(電子情報技術産業協会主催)で披露した。
同社の技術は、4Kカメラで捉えた映像信号をFPGAと呼ばれる半導体で処理し、8Kの映像信号に変える仕組み。「頭脳部分の中身を自由にカスタマイズできるFPGAの特徴を生かした」と同社担当者。8K画像同士の合成や、テロップを用いた8K画像への変換、8Kから4Kへの変換なども可能で、ニーズに合わせて映像処理パターンを設計できるという。
半導体や設計ソフトの販売、設計受託サービスを展開するパルテックは近年、放送機器や医療機器、計測機器向け半導体デバイスの売り上げを伸ばす。担当者は「8Kは放送業界のほか医療現場でも普及が期待されている。自社の半導体技術でユーザーのさまざまなニーズに応えたい」としている。