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ITでミス削減 三菱電機が新システム公開

経済 | 神奈川新聞 | 2015年11月14日(土) 03:00

タブレット端末をかざすと対象物の情報を表示するシステム。変圧器にピントを合わせると点検箇所と項目が画面に現れた=幕張メッセ
タブレット端末をかざすと対象物の情報を表示するシステム。変圧器にピントを合わせると点検箇所と項目が画面に現れた=幕張メッセ

 細かなチェック項目に、漏らさず対応することが求められるインフラや機械のメンテナンス作業。そうした現場での作業効率を上げようと、三菱電機・情報技術総合研究所(鎌倉市)が開発した最新技術が、13日まで開かれた鉄道技術展で公開された。カメラ映像の画面に点検項目を自動表示したり、作業結果を音声入力できたりと、作業ミスの削減などに役立つ二つのシステムだ。

 スマートフォンやタブレット端末のディスプレーに映った現実の風景に情報を重ね合わせるAR(拡張現実)と呼ばれる技術を応用した検査管理システム。事前登録した対象物に端末のカメラを向けると、対象物を画像認識し、端末画面上に説明や点検項目などを瞬時に表示する。

 「目の前の景色に合わせて注意すべき情報が表示される。作業ミスを減らすほか、管理者から作業者への指示や作業者間の情報共有をより円滑にする利点がある」と担当者。

 鉄道展のデモンストレーションでは、タブレット端末のカメラに変圧器を映し出すと、「油量」「騒音・振動」「ガス漏れ」といった点検項目と部位のしるしが、画面上に瞬時に出現。これを見ながら点検をすれば、作業漏れの心配は大幅に減りそうだ。

 この技術は「数年内の実用化」(同社)を目指しており、担当者は「メガネ型のウエアラブル端末と組み合わせることで将来的には手ぶらでの作業も実現できる。作業員の負荷を減らし、より正確な検査管理が行われることをシステムで後押しできれば」と説明した。

 もう一つは、音声技術を活用したシステムだ。従来は、作業員が作業内容や数値を現場でメモ書きし、それを清書し、パソコンなどにデータ入力する-と3段階の作業が必要だったが、このシステムでは部品の摩耗具合など計測した数値をマイクで音声入力するだけで済む。吹き込まれた値が適正かを判断する機能もある。

 高精度の音声認識技術が組み込まれており、稼働中の工場など騒音環境下の現場に対応。またネットワークを介してホストの端末と接続することも可能で、管理者が作業の進捗に応じた指示が出せるなど、全体の作業効率向上に役立つとされる。

 老朽化するインフラは増えており、点検業務の拡大に向き合うことは社会的な課題になっている。担当者は「作業の省力・効率化は現場の人手不足を補い、今後さらに増えるメンテナンス需要に応えていく上でも重要な要素。正確性向上と作業ミス防止に役立ててもらえるようにしたい」とシステムの一層の改良に意欲を見せた。

 
 

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