独立系半導体商社で国内大手のマクニカ・富士エレホールディングス(横浜市港北区)は2日、中期経営計画(2016~18年度)を発表し、最終年度の売上高を5千億円以上とする目標を明らかにした。同日、上方修正した16年3月期の売上高予想と比べ約1・3倍の水準。
4月に2社が統合して誕生した同社は相乗効果を生かし、シェアの一層の拡大などに努めたいとしている。
マクニカと富士エレクトロニクスの2社が統合し、完全親会社として設立された同社。設立後、初の策定となった今回の中期計画には売上高のほか当期利益100億円以上、自己資本に対してどれだけもうけを生み出しているかを示す自己資本利益率(ROE)が8%以上という目標数値を盛り込んだ。
成長戦略には▽国内外拠点の共同体制の構築など統合効果によるシェア拡大▽海外展開などによるグローバル戦略の強化▽合併・買収(M&A)戦略や新規事業を検討する成長加速の施策-などを示した。
同日開いた説明会で、中島潔社長は「さらなる成長を実現するにはM&Aは必須で、国内外を問わず、ビジネス規模を拡大させることは今後も重要。また、10年、20年先を見据え継続的な成長を目指すために新しい事業への進出は重要課題。そのために戦略的投資を積極的に行っていく」などと説明した。
同社が2日に発表した15年9月中間連結決算は売上高が2010億7100万円、営業利益が54億円、経常利益が57億1千万円、純利益が56億4千万円。通期の業績予想も同日修正し、売上高は前回予想の3600億円から3970億円に引き上げた一方、営業利益を120億円から97億円に引き下げた。