
秋の風物詩として日本でも定着しつつあるハロウィーン。仮装を楽しむイベントとして年々盛り上がりを見せ、経済効果もバレンタインに匹敵するといわれる。横浜市内の百貨店では、本番の31日に向けて例年にはない企画を展開。幅広いニーズを意識し、新たな市場の定着を目指している。
日本記念日協会(長野県)によると、今年のハロウィーンの市場規模は推定1220億円(前年比11%増)で、バレンタイン市場(1250億円)と肩を並べる勢いに迫っている。ハロウィーン市場は2011年が560億円、13年には1千5億円と大幅に拡大傾向にある。
「これまでは子ども中心のイベントだったが、夜にパーティーを開くなどして大人も楽しむようになった」と話すのは、そごう横浜店(同市西区)7階にある「横浜ロフト」の企画担当九嶋直人さん。同店では昨年より2割増となる千点の関連グッズを販売。約300種類用意したコスチュームのほか、特殊メークや電池式などの光る小物が売り上げを伸ばしているという。
盛り上がりの背景には「大人が普段できない格好を思い切り楽しめることに加え、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で公開したいとの思いもあるのでは」と売り場担当の引田愛さんは話す。今月に入ってから、前年を上回る好調な売り上げといい、規模の拡大を実感している。
横浜高島屋(同)は今年初めて、正面入り口をハロウィーン一色に装飾。ファッションや生活用品といったグッズを求める客のニーズに合わせ、カボチャ形の鍋をはじめとするキッチン用品やカボチャ味の洋菓子を充実させた。
京急百貨店(同市港南区)も、近年の盛り上がりを受け、初めて小学生以下を対象にした衣装の無料貸し出しを行い、撮影スポットも設置。「家族で楽しめる」をコンセプトに、子どもが主役となるものを意識した。31日はダンスパフォーマンスチームDISCYU(ディスキュー)などによるミニライブを開く。
横浜駅前でも数々のイベントが企画されている。
西口の商業施設は共同で、ウオークイベントやクイズラリーを実施。相鉄ホールディングスや地元商店街などでつくる実行委員会は元AKB48の河西智美さんらを招いたステージイベントを31日に開く。
東口でも商業施設や企業が連携し、抽選で5千円相当の賞品が当たるクイズラリーなどを企画した。
各担当者は「『カワサキ ハロウィン』が定番だけど、横浜からもハロウィーンを盛り上げていきたい」と張り切っている。