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TPP大筋合意: 県内自動車「活発化はプラス」 農業「廃業増える恐れ」

経済 | 神奈川新聞 | 2015年10月7日(水) 03:00

 異例の延長を重ねた末、大筋合意した環太平洋連携協定(TPP)。県内企業・団体からは6日、歓迎と不安の声が上がり、「影響は小さい」との冷静な受け止めも出た。

 主要産業の自動車分野。日産自動車(横浜市西区)は「幅広い分野での共通したルールづくりなど、ビジネス環境の整備が一層進むことが期待される」とのコメントを発表、大筋合意を歓迎する。

 自動車分野では、米国が日本の自動車部品にかける関税が全品目の8割以上で即時撤廃される。ただ、部品メーカーからは効果を疑問視する声が上がる。背景にあるのが“地産地消”のビジネスモデルだ。

 ある部品メーカーは「取引する自動車メーカーの現地生産に合わせ、自動車部品も現地で製造しており、関税を撤廃するTPPの影響はほとんど受けない」と言い切る。別の部品メーカーも「現地生産、現地消費が原則。基本的にはメリットはない」。

 浜銀総合研究所の深尾三四郎主任研究員は「中長期的には環太平洋での自動車産業が活発化する点でプラスといえるが、短期的には影響はかなり小さい」と分析する。

 注目された農業分野に関し、県農業協同組合中央会(同市中区)の担当者は県内影響について「現状で既に関税率の低い青果品への影響は限定的と思うが、牛肉や豚肉では心配が大きい。価格が押し下げられるリスクは考えておかないといけない」と気をもむ。

 食料自給率は昨年度が39%と主要先進国で最低水準。TPP発効で国内農業は輸入農産物との厳しい価格競争にさらされる公算が大きい。担当者は「離農や廃業はさらに増える恐れがある。農家が消えた後で『国産』を欲しても遅い。価格のほか品質や安全・安心など多様な視点から消費者は食品を選んでいる。利益を損ねられるのは農家だけでなく消費者も無関係でない」と警鐘を鳴らす。

 牛肉で関税制度の撤廃を回避するなどしたが、「制度は残っても関税は現実として段階的に引き下げられていく。真に日本の農業や国益を守った、とはいえないのではないか」。

 鎌倉などに研究所を持つ中外製薬(東京都中央区)は、永山治代表取締役会長・最高経営責任者のコメントを発表。永山会長はバイオ医薬品の開発データの保護期間が実質8年になった点について「日本の再審査期間と同じ8年に着地できたことは評価できる」とした。ただTPP参加国には期間が短縮された国もあることから「期間短縮は製薬産業にとって厳しい」とし、新薬承認プロセスの効率化など早期に市場投入できる環境整備の必要性を説いた。

◆横商会頭「中小にチャンス」
 横浜商工会議所の佐々木謙二会頭は6日、「アベノミクスや成長戦略に大きな役割を果たす」とするコメントを発表した。ヒト・モノ・カネの流れが活発化する点について「中小企業のビジネスチャンスが拡大する」と期待。

 一方、輸入品との競争が激化する農林水産業については「影響が懸念される分野への支援策も求められる」とした。

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