県立吉田島総合高校(開成町吉田島、掛原豊校長)の生徒が栽培・収穫したレモンを使った「吉田島レモンサイダー」が地元企業との共同開発で商品化された。「わずかにほろずっぱくさわやかな味」で9月1日から発売され、足柄地域の元気に一役買いそうだ。
「吉田島レモンサイダー」は、収穫適期を外れた農産物の活用を考えていた同校と、ご当地ものの新商品を模索していた森永乳業小田原販売(小田原市荻窪)の意図が一致して共同開発が始まった。
ことし1月、生徒が校内の果樹園で栽培・収穫したレモン約100キロから搾った果汁23リットルを原料に、川崎市にあるサイダー製造会社に生産委託。1本340ミリリットル、250円(税別)で6千本作った。ネーミングやラベル、パッケージは生徒らと意見交換して決めたという。
26日には同社の守屋佑一さん(27)が同校を訪れ、レモンを栽培した園芸デザイン系列「果樹」選択の生徒16人と教諭、教頭に製品を手渡した。
3年の男子生徒は「在校中に製品になったのですごい」、同じく3年の女子生徒は「収穫のとき、木のとげに注意してレモンを取った」と笑顔を見せた。同校OBでもある守屋さんは「これからも西湘地区の農産物を使った商品を開発していきたい」と意欲を語った。
2010年再編された同校は吉田島農林高校の伝統を継ぎ、園芸、生活、環境など5系列の教育活動を展開している。