
神奈川地方最低賃金審議会(盛誠吾会長)が21日に行った最低賃金の答申は、中央最低賃金審議会の引き上げ目安額(19円)を下回る18円となった。県内の労働組合は「格差是正を訴える中で全国で唯一起きた異例の事態。極めて残念な結果。理解できない」と憤りをあらわにした。
審議会の専門部会で労働者側の代表委員を務めた連合神奈川は、現在の最低賃金の水準は不十分だと指摘。物価上昇(県内2・5%)に実質賃金が追い付いていない現状を踏まえ、19円(2・1%)以上の引き上げを求めたが、18円にとどまった。
県庁で同日、会見した柏木教一会長は「なぜ18円が認められ、19円が認められないのか説明が不十分」と指摘し、「日本経済を立て直すため、国内消費を加速させなければならない状況でなされたこの判断は、極めて不本意だ」と強調した。
神奈川労連(福田裕行議長)は声明を発表。神奈川以外の全国の審議会専門部会が、目安額もしくは1円上回る引き上げ額を答申したことを取り上げ、「引き下げ答申としたことに強く抗議する」と批判した。