
10月に任期満了を迎える横浜商工会議所の佐々木謙二会頭(76)=ニッパツ相談役=が退任を決め、後任には上野トランステック会長兼社長の上野孝氏(70)を推薦した。横浜経済や横浜商議所への思いを聞いた。
-退任を決断し、後任に上野氏を推薦した理由は。
「上野氏は(私が適齢と考える)70歳で、(社長兼務の)会長職に就いていて本業との両立ができる。前会頭としての経験もあり、適任と考えた」
-山下ふ頭にカジノを含む統合型リゾート施設(IR)を誘致しようという動きがある。後任の上野氏は港湾業界だ。
「意識はしていない。横浜の今後の発展を考えると(海外などから)多くの人が訪れることが必要で、そのためには観光・MICE(国際会議、展示会などの総称)機能が重要だ。そういう意味では(港湾業界も)関係あるが」
-3期8年、会頭として見てきた横浜経済にこれから必要なものは。
「やはり観光・MICE機能だろう。羽田空港が近くに立地していることも大きなアドバンテージだ」
「横浜市は観光・MICEに、県はさがみロボット産業特区や医療・健康分野に力を入れている。メーカーに長く勤務した経験から学んだことは、新しい技術や製品が会社に貢献するまでには20、30年はかかる。新しい産業を生み出すためには、集中的に取り組む必要がある」
-横浜商議所の会員企業に向けて。
「会員企業が『入って良かった』と思う商議所にならないといけない。会員の集いなどを通じて、退会企業を少なく、入会企業を多くする相乗効果を狙う必要がある。横浜は、業界団体が多くある東京の隣に位置し、ハンディキャップはあるが、横浜なりの経済圏をつくって団結することが必要だ」