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香り分析します 藤沢の業者が食品メーカーと共同開発

経済 | 神奈川新聞 | 2015年4月18日(土) 03:00

バイオクロマトが共同開発した、香りの強弱の変化を即時に可視化する分析機=藤沢市本町
バイオクロマトが共同開発した、香りの強弱の変化を即時に可視化する分析機=藤沢市本町

 分析装置の開発を主に手掛ける「バイオクロマト」(藤沢市)が、揮発性成分分析機「ボラタイムシップ」を大手食品メーカーと共同で開発した。香りの強弱の変化をリアルタイムに波形のグラフで表示、可視化する。「世界初の技術」と胸を張る同社は世界市場への進出も視野に入れている。

 「ミルクチョコレートをかんだ瞬間の、バニリン(バニラの香りの主要成分である物質)の香り立ちを測りたい」。分析機の開発は2年ほど前、大手食品メーカーから受けた依頼がきっかけだった。

 香りの検査は、人間の鼻で嗅ぎ分けるケースが主流だ。わずかなにおいも逃さない鼻は優秀な“分析機”の一つ。一方で一瞬の香りを嗅ぐには困難が伴う。感じ方も一人一人異なり、同じ人間でも体調や日によって変わる。バイオクロマトの木下一真社長(40)は「鼻はデータまでは取ることができず、香りを再現するのも難しい」と指摘する。

 科学的な分析も行われてはいる。ただ、香りを構成する成分の数や種類は分かっても、香る順番や香りの強弱といった“ハーモニー”を詳細に分析することはできなかった。

 そこに舞い込んできた依頼。バニリンの香り立ちという、かんだ瞬間の一つの成分の変化を把握するために、同社が着目したのが分析する香りの量だった。

 「香りは物質に付着しやすく、それだけ量が減りやすいんです」と木下社長。焼き肉屋に行くと、洋服ににおいが染み付くのがそれだ。香りの量をできるだけ100%に近い状態で、質量分析装置にかける必要があった。同社は瓶の中で発生させた香りを、そのままチューブで装置に送り込むシステムを考案。香りが付かないよう、チューブを200度で加熱した。湯につけた瓶の中で、チョコを器具でつぶすことで、口の中でチョコをかんだ状態を再現、バニリンの香り立ちの分析に成功した。

 揚げたてのコロッケ、入れたてのコーヒー、かんきつ系の果物をかんだ瞬間…。完成後、同社が分析した香りの数々だ。コロッケは実験用のホットプレートを下に敷いた大型の瓶の中で、実際に揚げて分析した。「香りは大きな宣伝効果を持っている」と木下社長。パン屋の前を通ると、店内に引き寄せられるように…。「分析機を使えば、自社製品の香りをより消費者に支持されるものに変更することも可能になる」。

 夢はさらに広がる。香りは世界共通。「豊かな食文化を持つフランスや研究が盛んな米国や欧州にも進出したい」。木下社長は言葉に力を込めた。分析機は1台250万円からで、香りの分析は1資料につき10万円から。問い合わせは同社電話0466(23)8382。

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