今春に賃上げ(ベースアップ、定昇を含む)を予定する県内中堅・中小企業の割合が58・1%に上り、2010年以降で最も高い割合になっていることが、浜銀総合研究所の調査で分かった。大企業を中心にベアの動きが出始めた昨年(53・3%)と比べても、賃上げの動きが一段と広がっている。
賃上げする県内企業の割合は、10~13年までは4割台で推移していたが、景気回復を受けて昨年は5割を超え、今年は製造業65・6%、非製造業53・7%で、全体では6割に迫った。「実施しない」は21・6%だった。賃上げ検討の際に重視する項目は「自社の業績」が7割を超えた。
賃上げ幅は「拡大する」が前年の18・0%から減少し15・4%。非製造業は13・3%と低くなっているものの、同総研の小泉司主任研究員は「一昨年までは賃上げが抑制されていたため、昨年の伸び率は高かった。増税後に売り上げが落ちた小売業などでは伸び率が落ちた企業もある」と分析している。
また、併せて調査した雇用の「過剰」から「不足」を引いた雇用人員判断DIは、3月末時点でマイナス30となった。不足超幅は1992年6月以来の大きさで、企業の人手不足感が強まっている。
調査は県内の1240社を対象に実施。賃金調査は444社(回答率35・8%)、雇用調査は447社が回答(回答率36・0%)。
【神奈川新聞】