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景気回復の恩恵広がらず
15年度予算案

経済 | 神奈川新聞 | 2015年3月8日(日) 03:00

 景気回復の恩恵届かず-。県と県内33市町村の2015年度予算案が出そろった。歳入の根幹となる県税・市町村税収入(見込み)は県や川崎市など11自治体が前年度比で増えたが、横浜や相模原市などの23自治体は減った。税制改正もあって企業の業績向上などによる税収増は限定的となった。また、住民が増えた自治体で大きく増収したものの、人口減に歯止めがかからない地域では厳しい状況が続くなど、二極化の傾向も顕著となった。

 神奈川新聞社が各自治体の予算案を基にまとめた。

 県は、県税が前年度比で10・6%増え、1兆2057億円を見込む。増加は4年連続。企業収益の改善を受け、法人2税(県民税、事業税)は5・9%増えた。

 「予想外に良くとても助かった」とするのは伊勢原市だ。市内主要企業の業績が好調で、法人市民税は23・9%増。これを受けて市税全体も2・5%増の160億4600万円に伸びた。綾瀬市も、法人市民税は4・2%の増加。「景気回復が進んでいる」と実感する。

 寒川町は、企業収益の改善で法人町民税が15・1%と大きく増加。ただし「伸び幅が増えたのは昨年度の当初予算で少なめに見積もっていたため。実際にはそれほど急激に増えたわけではない」と説明する。

 秦野市は、法人市民税が8・1%伸びたものの、市税で最も高い割合を占める固定資産税が1・6%減。市税全体では0・4%の減少となった。古谷義幸市長は「(市内産業は)部品の製造が多く、完成品ではないため景気の影響が反映されるのが遅い。このまま景気が伸びてくれることが一番だが、どうなるか」と気をもむ。

 一方、減収した自治体。法人市民税の一部が国税化された14年度の税制改正が響いた。

 最たるものが横浜市。林文子市長は「地方でやったものは地方に還元すべき」と国に対し不満を漏らした。同市の市税収入は1・4%減の7095億円。法人市民税は110億円減で、半分近い50億円分は税制改正の影響だ。同市財政局は「市内経済の活性化へ投資するなど自治体は自分の土俵で勝負している。地方の自立に向けた税制を願いたい」と注文する。

 座間市は0・6%の減収で、法人市民税は5・8%減った。「税制改正がなければ、法人税は前年度よりも2%の増加だったはず。痛い」と嘆く。

 人口動向による税収の明暗も表れた。恩恵を大きく受けたのは川崎市。市税収入は前年度比1・4%増の2963億円で、過去最大となった。JR武蔵小杉駅周辺の大規模マンション開発などで住民が流入し、納税者が増加。個人市民税は32億円増えた。さらに同地区の地価が上がり、固定資産税も12億円の増。法人市民税は11億円減ったが、それでも「市税全体では40億円の増収」(同市財政課)で、減少分を大きくカバーしている。

 一方で、人口減や現役世代の減少が税収に跳ね返っているのが横須賀、三浦両市だ。

 横須賀市は2・7%の減収。4年連続のマイナスで、下げ幅はこの間で最大となる。個人市民税は、働き手がリタイアするなど、給与所得の落ち込みで5億8千万円減った。法人市民税、固定資産税も減収で、26年ぶりに600億円を下回る見通しだが、市は「交付税制度があるので(投資には)基本的には影響がない仕組みになっている」と説明する。

 三浦市も同様の状況だ。市税収入は5・2%の減。同市は1995年から人口減少が続き、高齢化率も33・2%(2014年1月現在)と、県平均(22・5%)を大きく上回る。同市税務課によると、ウエートの大きい個人市民税は人口減に加え、高齢化で年金生活になる世帯が増えるなど納税者の総所得が減って減収している。改善には「人を減らさない、定住してもらう」ことが不可欠だが、短期的な改善は難しい状況だ。

【増収】

県、川崎、鎌倉、茅ケ崎、厚木、大和、伊勢原、綾瀬市、葉山、寒川、開成町

【減収】

横浜、相模原、横須賀、平塚、藤沢、小田原、逗子、三浦、秦野、海老名、座間、南足柄市、大磯、二宮、中井、大井、松田、山北、箱根、真鶴、湯河原、愛川町、清川村

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