富士通ゼネラル(川崎市高津区)が、タイ拠点の体制強化を進めている。エアコン開発で同国最大級となる新設のR&Dセンターが11月から本格稼働したほか、今後は現地エンジニアを倍増の140人体制にするなど、開発力を大幅に引き上げる。エアコンの普及と共に多様・高度化する各国の需要に対応し、商品力の強化を図る。
日本・川崎市、中国・上海、タイ・レムチャバン-の3拠点での開発体制を敷く同社。グローバルで多様化する商品ニーズへの対応が求められているほか、地球温暖化などの気候変動を背景に、各国で環境規制が進む現状も踏まえ、タイ拠点の強化に踏み切った。
本格稼働を開始したのは、エアコン開発の現地子会社「フジツウゼネラル エンジニアリング」のR&Dセンター(地上3階建て、延べ床面積約1万平方メートル)。総額約20億円を投じ、タイ中部でチョンブリ県のレムチャバン地域にある生産工場「フジツウゼネラル・タイ」の隣接地に建設した。
最新の試験設備を備えるほか、建物自体も大型業務用エアコンの実証試験設備として機能させられるという。エンジニアと工場従業員、サプライヤーが、技術相談や作業ができるフロアも用意した。
施設自体は200人以上を収容可能。現状は70人ほどが詰めるエンジニアの数を、2020年までに140人体制に拡充するという。
同センターの事業を早期に軌道に乗せ、今後はフルモデルチェンジ設計の比率拡大や開発機種数の大幅増を目指す計画。ルームエアコンからビル用マルチエアコンまで幅広く手掛ける。
同社は「日本、中国、タイの開発3拠点体制で、エアコンのさらなるラインアップ強化を進めるとともに、販売人員の増強や販売網の開拓・拡大など、空調機事業拡大に向けて積極的に先行投資していく」とした。