日産自動車は9日、2015年3月期連結決算予想(中国合弁会社に持分法適用)を上方修正し、売上高が昨年11月の前回予想から3・2%増の11兆1500億円、本業のもうけを示す営業利益が同6・5%増の5700億円、純利益が同3・7%増の4200億円になると発表した。国内や中国、新興国市場などが停滞して世界販売計画は同2・8%減の530万台に下方修正するものの、北米市場の好調と円安による海外売り上げの換算効果が相まって業績を大きく押し上げる見通しという。
営業利益は前回予想から350億円上積みしているが、内訳を見ると為替の影響がプラス550億円で、販売台数の落ち込み分はマイナス250億円。対米ドルの円安がプラス650億円の押し上げ要因となり、ルーブル安などの欧州通貨関連で100億円のマイナスになるという。14年度下期の対ドル想定レートは前回の1ドル=105・0円から1ドル=114・7円に見直した。
北米の好調は続いており、スポーツタイプ多目的車「ローグ」などを中心に前年比10・4%増の182万台を販売する見通し。13年4~12月期に879億円だった北米地域での営業利益が、14年には2158億円に大きく伸びた。
会見した田川丈二常務執行役員は「13年は販売店への奨励金が高くて厳しかったが、売り上げやインセンティブの管理がうまくいき、14年はまともな収益レベルに戻った」などと説明。新型「ムラーノ」に加え、今後も「タイタン」「マキシマ」などの投入が控えているため、「米国ではさらに高い収益を期待したい」と強調した。
また、14年4~12月期連結決算は、売上高が前年同期比11・1%増の8兆885億円、営業利益が同39・0%増の4179億円だった。
【神奈川新聞】