
百貨店業界で、バレンタイン商戦が熱を帯びている。今年は2月14日が土曜日のため、各店とも「義理チョコ」の需要が減少すると予想。代わりに「本命」向けや、女性が自分用に購入する需要を掘り起こす戦略のようで、限定品を投入したり、イベントを企画したりして、顧客の囲い込みを狙っている。
1月27日夜、そごう横浜店(横浜市西区)特設会場には本場ベルギーやイタリア、フランスなどの海外ブランドや、国内の有名パティシエによるチョコレートがずらりと並んだ。売り場開設前日の「女子だけの前夜祭」と題した企画で、事前に応募した女性客約200人が試食を楽しんだ。
「近年のバレンタインは女性自身が、この時期限定の少し高級なチョコを楽しむ傾向にある。今年は土曜日で、休みの企業が多いため、そうした需要や本命向けが中心となりそう」と担当者。カカオ豆からチョコまで一貫して製造された「Bean to Bar」や、地元・ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテルが初めて同店限定で販売する商品などをアピールする。
横浜高島屋(同)も南仏のバラやスミレの花びらで彩ったり、鹿児島の焼酎を使ったりと、多彩なチョコを用意した。3月14日のホワイトデー当日に、横浜DeNAベイスターズの選手から直接、サイン入りグッズを贈られる女性限定企画を実施。当選者5人には、同日の横浜スタジアムでのオープン戦のペア招待券も進呈するという。
京急百貨店(横浜市港南区)は、5日のスタート。国内外で高い評価を受けているパティシエ、ヨシノリ・アサミ氏の商品などを前面に出す。今回初めて実演イベントを計画。11日までの間、横濱元町霧笛楼の今平茂料理長(6日)らが登場、チョコの作り方などを紹介する。
また、バレンタイン期間は、3千円以上の買い物をした客を対象にホテルのペア宿泊券などが当たる抽選会を実施したり、ミニライブ(7日)を開いたりと、全館で盛り上げに努めるとしている。
【神奈川新聞】