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メコンの風:川崎 タイ・ラオス経済ミッション〈3〉ホーチミン・継承 国境超えて技術広げ

経済 | 神奈川新聞 | 2014年12月26日(金) 17:39

ベトナムの若者に技術を指導する大橋さん(左から2人目)と目黒さん(同3人目)=ホーチミンの職業訓練短期大学
ベトナムの若者に技術を指導する大橋さん(左から2人目)と目黒さん(同3人目)=ホーチミンの職業訓練短期大学

真夏を思わせる強烈な日差しに、額から全身から、どっと汗がわき出る。ラオス入国を翌日に控えた11月15日朝、川崎市長・福田紀彦(42)と川崎商工会議所会頭・山田長満(67)ら12人が降り立ったのは、ベトナム最大の都市ホーチミンだ。経済ミッションに先駆けた「先行団」として訪れたのは、ある取り組みの成果を目に焼き付けるためだった。

空港から中心部までバスを走らせると、この国の「名物」とも言えるオートバイの大群が車道を埋め尽くし、その間を人がすり抜けていく。「よく事故が起きないですね」。福田が驚きの表情をみせる。

北部の首都ハノイと比べ、「おおらかで楽天的な気質」と言われる南部のホーチミンは今、高層ビルの建設が至る所で進み、2020年には国内初の地下鉄も運行を開始する予定。「こうしたインフラができるとまた街が発展する」。ガイドのキエットさん(35)が笑顔で話す。

平均年齢が28歳と若く、活気にあふれるベトナム。一方、路上では壁に鏡をつるし椅子を置いただけの“青空散髪店”が人気を集め、木陰でハンモックに揺られながら昼寝をする人も。成長の熱気と穏やかな光景が混ざり合うアジアの都市に、一行は親近感と可能性を感じ取っていた。

「ご活躍の様子を見て、心から誇りに思いました」

同日夕、中心部に近いホーチミン市職業訓練短期大学。技術指導者として教壇に立つ金型設計製作の職人・大橋明夫(68)=川崎市川崎区=らに、見学を終えた福田と山田がねぎらいの言葉をかけた。

1999年に設立した同短大には、高卒者を対象にした機械や自動車など8学科があり、約4千人が学ぶ。川崎市と市産業振興財団は昨年から、市内最高峰のものづくりの匠(たくみ)「川崎マイスター」など、熟練技術者6人を指導員として同短大に派遣。マイスターの大橋も1年のうち2カ月ほど現地に滞在し、図面の見方をはじめ、学生自らプレスの金型を作る授業などを受け持つ。

「とにかく活気があって元気をもらえる」と大橋。学生からも「新しいことができて面白い」「知らないことを勉強できる」と好評だ。

この日、大橋とともに技術指導を担う金型製造一筋46年、目黒栄(72)=東京都大田区=も同席し、短大関係者からお礼の花束を贈られた。そして2人は今後の目標について聞かれ、こう語った。「日本ではものづくりに携わる若者が減っている。若さは素晴らしい財産。やりがいがある。国境を超えて技術を継承したい。最後の奉公です」

(敬称略)

【神奈川新聞】

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