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メコンの風:川崎 タイ・ラオス経済ミッション〈1〉ラオス(上)日本企業 続々進出

経済 | 神奈川新聞 | 2014年12月24日(水) 03:00

現地の担当者(右)から説明を受ける福田市長(左)と山田会頭(中央)=ラオスの首都・ビエンチャンの縫製工場
現地の担当者(右)から説明を受ける福田市長(左)と山田会頭(中央)=ラオスの首都・ビエンチャンの縫製工場

砂煙を巻き上げながら赤土の道を走った先に、その縫製工場はあった。ラオスの首都・ビエンチャン中心部から車で約30分。11月中旬にもかかわらず、強い日差しが地面を照らす。

「ようこそいらっしゃいました」

アパレルメーカー「愛津(あいしん)」(松山市)社長の鎌田憲二(65)が笑顔で出迎えたのは、川崎市長の福田紀彦(42)と川崎商工会議所会頭の山田長満(67)を団長とする約40人の派遣団。

広々とした工場内に歩を進めると、約360人のラオス人従業員らがミシンやアイロンを使って婦人用ズボンを熱心に作っていた。日本の百貨店や通信販売などに向けた製品で、1本1万円以上する高級品だ。

「スピードは遅いが、非常に丁寧。言われたことを一生懸命やる」

鎌田が語るラオス人の仕事ぶりに、福田と山田がうなずく。同社は中国・天津にも工場を構え、ラオスには3年前に進出。平均年齢は約21歳で、ほとんどが女性。作業行程を単純化して50ほどに分け、1日約2400本を作る。

タイとベトナムの間に位置するラオス。人口は約680万人で、安価な労働力と8%を超える高い経済成長率で注目を集める。金や銅などの鉱物に加え、豊富な水資源を生かした水力発電でタイへ電力を輸出。親日的であることや「東南アジア一」とも言われる治安の良さ、政治的安定も、製造業を中心に日系企業の進出が相次ぐ理由だ。

内陸に位置するため、物流コストがかかるという課題はあるが、鎌田はそれ以上にメリットがあると強調する。「われわれは高級品を扱っている。トータルで考えると、商品をきっちり作る方が大事なんだ」

一方で苦労もある。初めての給料日の翌日。当時150人いた従業員の3分の1ほどが、こつぜんと姿を消した。すぐさま中国の従業員を呼び寄せ、何とか納期には間に合わせた。原因を探ると、意外な事実が明らかになった。

「田舎の村から来た一人が『お母さんにお金をあげたら喜ぶんじゃないか』ってホームシックになった。でも一人で村に帰るのはかわいそうだと、集団でいなくなった」。鎌田は続ける。「悪意はないけど、それが会社にとってどれだけマイナスかを考えていない。社会人としての自覚は低い」

「強烈な洗礼」(鎌田)を受けたことをきっかけに、中国での成功体験を捨て、どうやって共存共栄を図るかを考えた。日本のシステムを押しつけるか、その国の発想に転換するか-。それが成功のポイントだと力説する。「人件費が安いだけで来ると苦労する。マイナスはあるが、気立てはとてもいい子ばかり。カリカリして生産性を求める時代は終わった。仮にもう一度海外進出するとしても、ラオスを選びたい」

(敬称略)

■ □ ■

川崎市と川崎商工会議所は11月16日から6日間、投資先として成長するラオスとタイに経済ミッション団を派遣した。市内企業の関係者ら約40人が両国の日系企業などを視察したほか、政府高官らと面会。生産拠点、マーケットとして先進諸国の注目を集める魅力はどこにあるのか。同行取材から見えてきた、メコン経済圏の今を伝える。

【神奈川新聞】

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