1. ホーム
  2. ニュース
  3. 経済
  4. カジノ、起爆剤か劇薬か IR法案 横浜 誘致へ歓迎、経済効果に期待

カジノ、起爆剤か劇薬か IR法案 横浜 誘致へ歓迎、経済効果に期待

経済 | 神奈川新聞 | 2016年12月3日(土) 02:00

 カジノを中心とする統合型リゾート施設(IR)整備推進法案が2日、衆院の委員会で可決されたことを受け、官民ともにIR誘致に積極的な横浜市からは、「具体化に向けて大きく踏み出したものと受け止めている」(林文子市長)、「早期成立を要望しており、可決を大いに評価する」(横浜商工会議所)などの前向きな声が上がった。 

 市は臨海部の活性化にIRは有効なメニューの一つとする一方、具体的な候補地は一貫して言及していないが、2013年12月の法案提出(衆院解散で廃案)から国会の動向を注視してきた。

 市政策局は「3年かかっていよいよ本格的な審議が始まった。衆院委員会では可決したが、まだ成立まで予断を許さない」と話し、今後も法案審議の状況を見極めていく考えを示した。

 横浜商議所は5月に経済政策委員会内にIR研究会を発足させ、海外のカジノの視察結果も踏まえ、11月に報告書を公表。IRを「新たな成長戦略として重要で、インバウンド(訪日外国人客)と宿泊型観光を拡大するために有効なツール」と位置付けた。

 横浜に建設された場合の経済波及効果も5595億~6710億円と試算。6万6千~7万9千人規模の雇用創出を見込めるとした。

 同法成立をにらみ、横浜の優位性のアピールに力を入れるとともに、「オール横浜で誘致する体制の整備」(経済政策委員長の川本守彦副会頭)も視野に入れる。「実際の誘致は自治体が主体となることから、横浜市と連携を図って支援したい」とコメントで表明した。


依存症 懸念強く 患者増加も 医師ら警鐘
 統合型リゾート施設(IR)整備推進法案が衆院内閣委員会で可決され、日本国内のカジノ施設が現実味を帯びてきた。「ギャンブル依存症」の治療に当たってきた医師は患者の増加に不安を募らせる。患者や家族を支援する専門家からは、予防の具体策が示されていないとして廃案を求める声も上がった。

 パチンコや競馬などにのめり込み、自分の意思ではコントロールできなくなるギャンブル依存症は、「病的賭博」とも呼ばれる。

 「掛け金を増やさなければ当初の高揚感が得られなくなり、より多額を使うようになる。借金を重ねても、ギャンブルで勝って返そうと考えてしまい、悪循環が進む」

 岡山県精神科医療センターの橋本望医師は特徴をこう説明する。金銭感覚がまひし、他の事への興味や関心を失うことも。家族関係を悪化させ、罪悪感で抑うつ状態になって自殺するケースもあるという。

 橋本医師はカジノ施設ができれば「依存症になる人は出るだろう」と指摘。「啓発による予防や早期の治療ができる制度をつくるなど、対策をきちんと整えなければならない」と警鐘を鳴らす。

 北海道立精神保健福祉センター所長の田辺等医師は「従来のギャンブルをやっている人が、最後の逆転を狙って新たに手を出すことも考えられる」と危機感を募らせた。

 悪影響は本人だけにとどまらない。依存症の人や家族を支援してきた「依存症問題対策全国会議」事務局長の吉田哲也弁護士は、家族や友人、職場など周囲の人を経済的に巻き込むと指摘。「依存症の数倍の人が被害を受けることになる」と説明する。

 厚生労働省によると、国内のギャンブル依存症患者の推計人数は約536万人。同省は薬物やアルコールなども含め依存症全体の対策を進めているが、担当者は「ギャンブル依存症対策は国として取り組み始めたばかり」と打ち明けた。

 吉田弁護士は「委員会の審議では、具体的な対策は何も示されていない」として、法案を廃案にするよう求めている。

カジノ・リゾート施設(IR)に関するその他のニュース

経済に関するその他のニュース

PR
PR
PR

[[ item.field_textarea_subtitle ]][[item.title]]

アクセスランキング