湘南信用金庫(横須賀市)がまとめた4~6月期の景況調査によると、取引先中小企業の実感は、「良い」とした回答の割合から「悪い」を差し引いた指数(DI)が全産業ベースでマイナス1となり、前期(1~3月期)の4から5ポイント悪化した。ただ、前期段階ではマイナス10を予想していたため、消費増税のあおりが見込みより小さかった形だ。
業種別では、サービス業が14ポイント改善して4。だが、「パートの割合を増やして人件費を節減しているが、仕入れ価格上昇のため利益は減少」(横須賀南部地区、ガソリンスタンド)と、厳しい声も寄せられている。
けん引役だった建設業、製造業はともに11ポイント低下し、それぞれ12、マイナス6に。建設業では、「主要取引先からの受注は安定しているが、作業員の確保が難しく、工事ができないこともあり、売り上げは減少した」(茅ケ崎地区、とび・土木工事)などと、人手不足感が引き続き強い。
卸・小売業は21ポイント悪化のマイナス31。「消費増税の影響で、車両販売、整備部門ともに売り上げは大幅減。しばらくこの流れが続くと予想する」(横須賀南部地区、車両販売・整備業)との指摘もある。
来期(7~9月期)の予想は全産業ベースで微増の1。「鎌倉のアジサイシーズンなどでホテルの予約も順調」(鎌倉地区、レストラン・ホテル業)といった声もある。
調査対象は湘南、三浦地域を中心に、県内と都内一部の420社。営業店長が企業主に直接面接して聞き取った。
【神奈川新聞】