
来春入学の小学1年生をターゲットにしたランドセル商戦が、早くも本格化している。近年は少子化の影響もあって祖父母が贈るケースが多く、3世代で買い物をする機会が増えるお盆時期がピークといい、百貨店や量販店では前倒しで展開する動きが見られる。消費増税後初の商戦ではあるが、高額でも高品質の商品を選ぶ消費者は多く、影響はあまりない様子。各社は、機能性や軽さを追求すると同時に、豊富な色、デザインを取りそろえ、アピールしている
そごう横浜店(横浜市西区)は6月7日、2015年モデルの取り扱いを始めた。昨年より1週間ほど前倒ししたという。売り場には、オレンジ、紫、茶…と個性豊かな色のランドセルがずらり。花柄の刺しゅうが入った物や金色の糸で縫った物などもあり、現在約140種類が並ぶ。
「今年は女の子向けだけでなく、男の子向けの有名スポーツメーカーの限定品も動きが早い」と担当者。販売期間は年々、長くなり「ランドセルはほぼ通年、並んでいるイメージ」。
平均単価は6万円だが、中には10万円ほどの高額商品も。祖父母が贈る場合、金額はあまり気にせず孫の欲しい物を選ぶケースが大半という。同店は商戦のピークとなるお盆の時期までに、さらに約30種類増やして展開する予定。「(今シーズンの)売り上げ目標は前年比20%増」と意気込む。
イオンは5月31日から、一部店舗で早期予約販売会を開始した。昨年より20種類ほど多い約100種類の展開で、過去最多という。「ランドセルは一度、購入すると再び買うことは少ない。だからこそ他社に先駆けて展開し、購入につなげたい」。担当者は「業界最速」の狙いをそう説明する。
売れ筋価格帯は例年とほぼ同じ3万3千~4万2千円前後というが、今年は自社製品に「プレミアムモデル」を投入。馬の尻から取る高級皮革「コードバン」を使用した約9万円の商品もある。担当者は「選択肢を多くすることで、人と違った物が欲しいというニーズに応えたい」と話している。
【神奈川新聞】