
26日に箱根町が発表した2013年の入り込み観光客数で、外国人宿泊者数が16万8千人と過去最高となった。“常連さん”の中国などからの観光客が増加傾向となったほか、東南アジア諸国のビザ緩和でタイなどからの観光客も急増。事業者も“成長市場”を取り込もうと取り組みを強化している。
町によると、箱根に宿泊した外国人客数は統計のある1972年以降最大。国・地域別では、中国、米国、台湾、香港、韓国の順で、いずれも前年比で増加傾向という。
特に増えたのは、タイなど東南アジアからの観光客。昨年7月にタイ、マレーシアなど東南アジア5カ国のビザを緩和したことで「観光客は間違いなく増えている」(町担当者)。
小田急グループによると、2013年度に新宿と小田原の両駅の外国人旅行センターを利用したタイ人観光客数は前年度比83%増。外国人全体の14%ほどを占め、箱根も同様の傾向とみられるという。リピーター客も増えており、町によると、箱根湯本駅前の総合観光案内所では今春、日本人よりタイ人の利用者が多くなる日もあったという。
タイなどからの観光客を取り込もうと、事業者の取り組みも加速する。海外旅行大手のエイチ・アイ・エスは、海外拠点を活用した日本への誘客に取り組んでおり、タイでは東京、箱根、富士山を5日間で巡るツアーが1番人気という。同社は「箱根からは富士山も見える。観光船やロープウエーなど多彩な乗り物も人気です」と話す。
同グループは、「箱根フリーパス」をタイ語で紹介するパンフレットを作成。現地のトラベルフェアに参加して配布したり、タイの連休時期に開花する箱根の桜を紹介するなど取り組みを強化している。「タイは経済水準が上がり、日本に親しみもある。箱根を選んでもらえるようアピールしていきたい」と話している。
【神奈川新聞】