
伊勢原市内の白いナシの花が満開となり、畑では農家が人工授粉作業に精を出している。同市は県内でも有数のナシの産地。今年の生育は順調で、夏の収穫期に向け作業が本格化していく。
授粉作業は、先端につけた鳥の羽根に花粉が噴出される「花粉交配機」という機械を使い、めしべ一つ一つに吹き掛けていく。同市田中で幸水や豊水などを栽培するJAいせはら果樹部会副委員長の多田光正さんは、「昔は家族総出でやったが、今は随分と楽になった」と丁寧に作業を進めていた。
ナシは、虫が花粉を運ぶことによって受粉する虫媒花。かつては市内でもハチやチョウなど虫に任せて受粉させていたが、環境の変化などによって数が減少し、人の手によって作業が行われるようになった。
市内のナシ畑は約17ヘクタールで農家は65戸という。
【神奈川新聞】