横浜・関内の再興に向けた再開発計画を、オフィス、大学、スポーツという三つの視点から紹介する。
中国の歴史書に由来することわざ「両雄並び立たず」は、2人の実力者が共存共栄を図る難しさを説く。これに真っ向から挑むような再開発計画が、横浜中心部の一角を成す関内駅前で動きだした。
まず旧横浜市庁舎街区で2024年度末、高さ約160メートルの超高層ビルが開業する。そして29年度には、隣り合う地区でも高さ約150メートルの超高層ビルが建つ。ともに地区最大規模のオフィスを構える。
それぞれの開発を主導するのは、不動産デベロッパー大手の三井不動産(東京都)と三菱地所(同)だ。まさに、関内の再興に挑む業界の双璧が「並び立つ」格好となる。
両社が「全国でも初めて」と口をそろえる異例の展開。その経緯をたどっていくと、三井不の周到な「戦略」と、三菱地が土壇場で見せた「意地」が浮かび上がる。
旧市庁舎の隣接地「特別な意味」
関内駅前の再開発計画で先手を取ったのは三井不だった。