新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛で新車販売台数が低迷する中、スポーツタイプ多目的車(SUV)市場が活況だ。トヨタ自動車や日産自動車が新型車を相次いで投入し、7月のSUVを含む市場別の県内販売台数は前年同月比プラスに転じた。幅広い使用用途に対応できることを強みに国産・輸入車を問わず人気のモデルなだけに、減速した市場をどこまで牽引(けんいん)できるかに注目が集まる。
「感染者が再び増えて不安はあったが、想定を上回るペースで受注をいただいている」
神奈川日産自動車(横浜市西区)の横山明社長は発売から約2カ月が経過したコンパクトSUV「キックス」への確かな手応えを口にする。同社の新車販売は3~4月に大きく落ち込んだが、8月に入り受注ベースの実績で前年並みにまで回復。「新型車を呼び水に、既存モデルの販売も好調だ」という。
日産にとって国内で10年ぶりとなる新型車に対する販売店の期待は高い。