川崎市は7日の市議会市民委員会で、幸区の「新川崎・創造のもり地区」に新たに整備する「産学交流・研究開発施設」の基本計画案を公表した。さまざまな研究機関や企業が集い結節する場として、必要な設備を配置。これまでの研究で生まれた科学的発見・技術の実用化や製品化を後押しする。2016年度末から17年度初めにかけてのオープンを目指す。
同地区では00年以降、慶応大の先導的研究施設「K2タウンキャンパス」や、ベンチャービジネス創出拠点「かわさき新産業創造センター」、ナノ・マイクロ分野の研究施設「ナノビック」が相次いでオープン。大学・企業の優れた知識や技術が集積する一方、これらをどう実用化し製品化につなげていくかが鍵となっていた。
市はこうした動きを加速させるため、新施設の整備をナノビック隣接地(約9200平方メートル)で計画。創造のもり地区での施設整備は今回が集大成で、ほぼ完了する見込みだ。
施設規模は、延べ床面積で約2万平方メートル。大手から中小、ベンチャーまでさまざまな企業や大学などが入居できる研究スペースを設け、研究資源のさらなる集積を図る。また、講演会・シンポジウムにも利用できる多目的ホールや会議室も設け、連携と交流を促す。
このほか、食堂やカフェ、物販店舗なども配置して日常の研究活動を支える機能も充実させる。
施設整備には、PFIなどの手法を検討し、民間の資金やノウハウを活用する。
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