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日産の試練
なるか復活のカギ(下)市場拡大 先陣切った巨艦の宿命

経済 | 神奈川新聞 | 2020年8月6日(木) 18:00

来年中ごろに発売される新型電気自動車「アリア」(同社提供)
来年中ごろに発売される新型電気自動車「アリア」(同社提供)

 世界のモビリティーを一変させる。日産自動車(横浜市西区)がそう旗を立て、世界初となる量産型電気自動車(EV)「リーフ」を市場投入したのは10年前のこと。真新しい横浜の社屋で、元会長のカルロス・ゴーンが報道陣の前に立ち、満面の笑みを見せていた。

 リーフを世に放った当時の最高執行責任者(COO)志賀俊之はこう言い、笑っていた。

 「そう遠くない何年か先に、『ガソリンを燃やして車を走らせていたなんて、信じられないよ』と言う時代が必ずやってくる。私はそのときが楽しみで仕方ない」

 そのリーフは2020年6月末時点で、世界累計販売台数が約47万台に到達した。

 この10年間の世界のEV市場はしかし当初見込まれた拡大よりも鈍く、政府や自治体による普及支援策はあったものの、消費者に広く受け止められるには尚早であった。日産は10年前の計画当初、発売2年後の12年にはEVの世界生産台数を10倍に引き上げ「年産50万台」を掲げていた。現実は、見込みの10分の1にも満たない販売台数となったわけだ。

 それでもなお、日産が世界のEV市場に先鞭(せんべん)をつけた意味は決して小さくはない。結果として日本国内でのリーフの累計販売台数は約14万台に達し、日産は今でも、世界で最もEVを売っている自動車会社である。想定を大きく下回ったものの、この布石の価値は大きい。

 
 

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