「回復の見込みが非常に鈍い。何か日産特有の理由があるのか-」
オンラインで28日に行われた2021年3月期の第1四半期(4~6月)決算会見で記者に問われ、日産自動車(横浜市西区)の社長、内田誠は雄弁に語ってみせたが、具体的な要因については言及を避けていた。
なぜか固定費の削減方針を繰り返し言い募り、さらに世界需要が年度末にかけて盛り返す楽観的な見込みを示し、はぐらかし続けた。
競合他社はこの第1四半期を底に回復を見込む社が少なくない。日産の4~6月の世界販売台数は前年同期比47・7%減の64万3千台と大きく沈んだ。米国の市場全体の落ち込み31・6%減と比べて、日産の同市場での販売台数は半減した。
この足元の業績を加味した上で公表した今期見通しで、営業損益は過去最大となる4700億円の赤字を見込む。
日産だけが、回復のスピードが遅いのではないか…。