政府は、国際競争力を持つ拠点港湾を目指すため指定した「国際コンテナ戦略港湾」(京浜港、阪神港)に対する集荷支援策の強化に乗り出す。機能強化費として、2014年度予算案に前年度比11%増となる446億円を計上。戦略港湾の施設を一元的に管理する「港湾運営会社」に国が出資し、経営基盤を支える制度を創設する考えも正式に打ち出した。
政府は、日本と欧米などを直接結ぶ基幹航路の維持に重点を置き、コンテナ船の大型化に対応できるターミナル整備を急ぐ方針。港の利便性向上やコストの削減も図り、釜山などアジアの主要港に対する競争力の強化を目指す考えだ。
京浜港を構成する3港湾のうち横浜港では、市の公社を民営化した横浜港埠頭会社(横浜市中区)が昨年、先行して特例港湾運営会社に指定された。
東京港、川崎港でも指定の申請が出されており、京浜港内の各会社は今後、統合されて一体的な港湾運用を担うことになっている。
政府は、統合後の運営会社に対して国が出資できるよう港湾法を改正する予定。財務基盤の強化支援や協働関係を強める狙いがある。出資比率のあり方などは今後、詳細を詰める。
運営会社が港湾に貨物を集める際の支援制度も創設する。港湾背後にある物流施設の整備に対しても、支援を拡充する。
政府は成長戦略「日本再興戦略」などに戦略港湾政策が位置づけられたことから、海運業や港湾運送業、港湾管理者などで組織する政策推進委員会を設け、8月に中間取りまとめを公表していた。年内にも最終取りまとめを示す方針。
新運営会社に国が出資する方針をめぐっては、東京都の猪瀬直樹前知事が11月、「国の権限強化が目的で、地方分権に逆行している」と批判していた。
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