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未来を創る(4)強い経営へ伴走支援 横須賀商工会議所90周年

経済 | 神奈川新聞 | 2018年11月16日(金) 12:03

従業員の話に、にこやかに耳を傾ける内川塾長(左)=横須賀市森崎の大草薬品
従業員の話に、にこやかに耳を傾ける内川塾長(左)=横須賀市森崎の大草薬品

 「充填(じゅうてん)機と、梱包(こんぽう)機は近づけた方が効率が上がる」「袋を数える作業と、並べる作業は1人でできないか」

 漢方を中心とする一般用医薬品メーカー「大草(おおくさ)薬品」(横須賀市森崎)の工場。商品の梱包作業を見ながら、横須賀商工会議所の「内川塾」塾長、内川晋さん(80)が改善点を次々と指摘していく。

 トヨタ生産方式「カイゼン」を体系化した同社の大野耐一・元副社長の薫陶を受け、常務を経てグループ車体メーカーの関東自動車工業(関東自工)社長、会長を務めた。2011年の開塾以来、これまでに市内の延べ15社にトヨタ流のカイゼンを伝授してきた。

 大草薬品は4年前から指導を受けている。今回は漢方関連商品の急伸に伴い、出荷作業を効率化しようと内川さんを頼った。作業内容を細かく聞き、親身に指導した後、内川さんは「知恵は無限大。出し惜しみしてはならんよ」と笑顔で従業員を激励した。

■  ■

 塾が目指すのは人員削減ではなく、付加価値の高い業務への人の再配置だ。大草貴之社長(46)は「最初にご相談した時、内川さんは商品の流れを知るために東北の卸売業者の流通センターまで一緒に足を運んでくれた。厳しくもありますが、われわれを深く理解してくださり、本当にありがたい」と感謝する。

 開塾のきっかけは、関東自工の深浦工場が00年に閉鎖し、後に内川さんが会長を退く際、無償で指導役を引き受けると申し出たことだった。

 「世話になった横須賀への罪滅ぼし、恩返しをしたかった」と内川さん。「塾で関わった会社が良くなるのはうれしい。元気な会社が増えて横須賀が良くなれば」と目を細める。

 塾は、カイゼンの国内第一人者が地元企業とともに現場をつくり上げていく高度な支援策だ。商議所も、現場や経営に入り込む「伴走型」の支援が求められる時代となっている。

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 犬のトレーニングやトリミング、散歩などの各種サービスをワンストップで飼い主に提供する「ぴーずDOGサービス」(同市富士見町)は、1年前の創業時に商議所に助けられた。

 出張サービスのため店舗は不要だが、庭に敷く人工芝や柵、道具の費用を工面しなければいけなかった。代表の菊池明日香さん(34)は「資金を借りるために創業計画を商議所の方と一緒になって考えた。私1人ではつくれなかった」と振り返る。

 動物看護師やトリマー、訓練士の技術を熱心に磨いてきた菊池さん。経営には無頓着だったが、計画づくりを通じて中長期の目標も持つことができた。商議所は今後も、伴走しながら支援していく構えだ。

 「商議所が税務、金融のお手伝いをしていれば、ありがたがられた時代は終わった」。菊池匡文専務理事(59)は会員のニーズの変化も踏まえて言う。

 「市場が飽和状態の中、商議所も経営に踏み込み、一緒に考えながら会社を強くしていくような支援が求められる。我々は企画力と行動力、変化への対応力を磨かなければならない」

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