カジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備の有力候補地と見なされている横浜港・山下ふ頭(横浜市中区)を巡り、カジノ導入に反対している横浜港運協会会長の藤木幸夫さん(88)が14日、横浜市神奈川区で講演した。
国際展示場などのMICE(国際会議などの総称)施設を民設民営で整備すべきとの私案を発表している藤木さんは「(カジノ)反対はいろいろあるが、反対のための反対ではない。横浜をどうするかという問題。私はミナトを守ります」と述べた。
課題としてギャンブルなどの依存症問題を挙げ、「子どもを家庭に帰してやりたいけど、帰したら大変なことになる家族がいる。回りの人がみんなで対処しないとだめ」と依存症対策の必要性を訴えた。
山下ふ頭には市民利用施設とともに富裕層向け滞在型リゾート施設も設ける考えを示した上で「世界から観光客が喜んで来てくれて2、3カ月滞在してもらう。その収益は市内に保育園や老人ホームができる(市の)財政になる。できないことではない」と呼び掛けた。
講演会は県内で生活相談活動を行う市民団体の交流組織「かながわ生活相談ネットワーク」が主催し、約170人が来場した。