バイオ企業のユーグレナ(東京都)が横浜市鶴見区の京浜臨海部で建設を進めていた国内初のバイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラントが完成し、2日に竣工(しゅんこう)式と報道関係者ら向けの見学会が開かれた。
同施設は、AGC京浜工場内(同区末広町)に約58億円を投じ、1年5カ月かけて建設された。敷地面積7787平方メートルで6設備から成る。
ユーグレナが製造するミドリムシと、伊藤忠エネクス(東京都)と一緒に調達をする廃食油を使って国産のバイオ燃料を製造し、このプロセスがすべて実施できるか確認する実証プラント。来年春から本格稼働し、同施設で製造するバイオ燃料を年産125キロリットルから2025年までに2千倍の25万キロリットルに拡張する予定。
同社は、世界で初めてミドリムシの屋外大量培養技術を確立し、バイオ燃料研究を続けてきた。二酸化炭素排出量削減のためにもバイオ燃料の普及は不可避と考え、ミドリムシや廃食油を主原料としたバイオ燃料の製造を進める。
式典で同社の出雲充社長は、「20年までにこの施設で製造した国産のバイオ燃料を使用した航空機の有償フライトを実現する。そして陸・海・空の全ての産業分野でバイオ燃料を導入する体制を作っていく」と強調した。