浜銀総合研究所が20日までに発表した9月の企業経営予測調査によると、県内の中堅・中小企業で業況が「良い」と回答した企業の割合から「悪い」の割合を差し引いた業況判断指数(DI)は、6月の前回調査と比べ2ポイント上昇し、マイナス2だった。前回調査では10ポイントの大幅な低下をみせていたが、数字をやや戻した。城浩明上席主任研究員は「県内企業の景況感は緩やかな改善を維持している」とした。
製造業は、7ポイント上昇のプラス5で、上昇超に転じた。前回調査で、春節による休業期間が例年より長かったことなどを受けて、中国関連で落ち込んでいた電気機械(32ポイント上昇のプラス37)や電子部品・デバイス(62ポイント上昇のプラス33)が大きく改善。一方で、輸送機械(19ポイント下降の0)は、北米での乗用車市場の伸び悩みなどの影響を受けた。前回、大幅に悪化した食料品(10ポイント上昇のマイナス21)は、回復に時間がかかっている。
非製造業は1ポイント低下しマイナス7。人手不足などが深刻な小売(2ポイント下降のマイナス28)やサービス(1ポイント下降のマイナス8)は業況の悪化が続いたが、飲食店・宿泊(31ポイント上昇のマイナス7)は改善した。不動産(14ポイント上昇しプラス14)は前回に引き続き好調だった一方、労務費や資材費の高騰や、官工事の受注が低調だった建設(14ポイント低下のマイナス7)は悪化した。
業況判断は年末へ向けさらに改善傾向を示している。
次期(12月)の予想は、全産業で1ポイント上昇し、マイナス1。製造業では輸送機械や食料品の回復を見込み、2ポイント上昇のプラス7を予測する。非製造業は横ばいのマイナス7。飲食店・宿泊や小売で改善を見通す一方、運輸・倉庫やサービスなどで業況の悪化を想定している。
城上席主任研究員は、「業況判断は、ここ30年のスパンで見ればバブル期以来の水準に近く、いい状況になっている。ただ今後、米中貿易戦争の影響がどのように出るか、見通せない」と話した。
調査対象は1180社(製造業382社、非製造業798社)。回収率は31・8%だった。