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地域力 担う人々
高齢者買い物支援に力 横浜の母親グループ、マルシェや自宅配送

経済 | 神奈川新聞 | 2018年6月13日(水) 10:18

パンなどを販売した「ママ・マルシェ」。中央が津ノ井さん =中村地域ケアプラザ(横浜市南区)
パンなどを販売した「ママ・マルシェ」。中央が津ノ井さん =中村地域ケアプラザ(横浜市南区)

 横浜市南区の中村地区で、子育て中の母親グループ「おもいやり隊」が野菜やパンを売る「ママ・マルシェ」を開いている。高台に住んでいたり、外出が難しかったりする高齢者の買い物支援と見守りを目的に2月にスタート、地域住民からも好評だ。グループは活動内容を広げようと、法人化と拠点づくりに向けて動きだしている。

 おもいやり隊は、代表の津ノ井美晴さん(36)、根島真希さん(38)、吉永淳未さん(38)が昨年2月に立ち上げた。親子の集まりで市中村地域ケアプラザ(中村CP、同区)を利用し、「何かボランティアができないか」と考えたことがきっかけだ。「重そうな荷物を持って坂を上る高齢者を自宅近くでも見掛ける」(津ノ井さん)ため、買い物代行をしたいと中村CPに相談。「商品を見て買いたい、話をしたいという人のために販売をしてはどうか」と提案され、マルシェを開くことにした。

 中村地区は高低差が大きい地形で、高台まで上る坂の傾斜もきつい。中村CP所長の秋葉岳志さんは「平地から高台までは、ビルの1階から15階に上るぐらいの高低差がある」と話す。加えて、地区の高齢化率は29・3%(15年)と同区全体(25・7%)より高い。

 そんな事情もあり、今年2月に高台の唐沢地区で開いた初のマルシェには会場の車庫に買い物客が詰め掛けた。住民の要望を受け、翌月には開催場所を追加。5月23日に中村CPで開いたマルシェでは、用意した焼きたてパン340個が1時間足らずで売り切れた。利用した女性(68)は「近くにあったパン店が数年前になくなったので、時間が合えばまた来たい」と笑顔で話す。

 グループの新たな取り組みも始まった。

 この夏にもNPO法人の設立を申請。住民が主体になり、要支援者らに掃除や話し相手といった生活支援などを行う「訪問型サービスB」の事業を行う予定だ。また、1回300円で買い物をして自宅まで届ける試みも始めた。ボランティアだと遠慮する高齢者もいるが、有償なら気兼ねがない。「周囲には、働きたいが子どもの預け先の問題などでできないというお母さんも多い。時間に融通が利く働き方にできれば」(津ノ井さん)と、小さな子どもがいる母親が働ける場にしようと考えている。

 空き家などを使い、活動拠点を持つことも目標だ。「高齢者が立ち寄れて、子どもも集まれる場所をつくりたい。見守りや買い物支援もそこでできれば」と津ノ井さんは話す。

 
 

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