事務機器大手の富士ゼロックスは30日、海老名事業所(海老名市本郷)に新拠点「フューチャー・エッジ」を開設した。組織を超えた協働で技術革新を目指すオープンイノベーションの場として、印刷業務の生産性向上や働き方改革の実証などに取り組む。同日は記念の式典も開かれた。
同拠点(総面積7千平方メートル)は同事業所内にある既存の棟の1~2階部分に新設。1階が「スマートファクトリー」と呼ぶフロアで最新の各種デジタル印刷機などがそろっており、「(企業などが)未来の印刷工場の生産性改革を体感したり、実証を進めたりする場」として機能する。
2階フロアは「スマイルガーデン」とし、企業など外部組織とビジネスモデルを探求していくスペース。今後、技術革新につながる種(シーズ)を見いだすオープンイノベーションのイベントなども開催していく予定という。
式典で、高木純常務執行役員が「AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)の時代にあり、印刷ビジネスの生産性向上が求められている。グループや外部と連携し、価値提供力の強化を図り、(顧客への)付加価値創出を最大化していく」とあいさつ。来賓出席した同市の内野優市長は、「今後もまちづくりで(海老名事業所も市と)ともに歩んでいってもらいたい」と述べた。
同市が市制に移行した1971年に開設された同事業所は現在、複合機や関連商品などの開発、生産技術に取り組む「歴史ある重要な拠点」(同社幹部)。こうした点から、新拠点の開設場所を同事業所に決めたという。