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県内公示地価 二極化鮮明に 3政令市将来性に期待感

経済 | 神奈川新聞 | 2018年3月28日(水) 12:41

プラウド綱島SSTとアップルの研究所(左) =横浜市港北区綱島東
プラウド綱島SSTとアップルの研究所(左) =横浜市港北区綱島東

 国土交通省が公表した県内の公示地価は、二極化傾向が一層鮮明化した。住宅地、商業地ともに横浜、川崎、相模原の3政令市がけん引。高度商業地の形成や鉄道網整備に伴う駅前再開発が進む地域の上昇が目立ち、まちの将来性に対する期待感が顕著に表れた。一方、三浦半島の下落傾向には歯止めがかからず、県土地水資源対策課は「バブル期には通勤圏内だったが、都心アクセスに劣る場所になってしまった」と分析している。

「未来のまち」


 横浜市港北区綱島東のパナソニックの工場跡地に26日、グランドオープンした「Tsunashimaサスティナブル・スマートタウン(綱島SST)」。大型商業施設や水素ステーション、米IT大手アップルの研究所、慶応大学の国際学生寮などが立地。「未来のまちづくり」に注目が集まっている。

 周辺地域の住宅地の公示地価は7・4%上昇、県内最大の伸び率となった。敷地内に立地する野村不動産の「プラウド綱島SST」は販売開始後、すぐに完売。東急東横線沿線に住む都内在勤の共働き夫婦が購入するケースが多かったという。「2022年には新駅の開業が予定されていることもあり、業界注目の場所」と担当者は話す。

 東横線綱島駅前では東急不動産も高級マンション「ブランズ綱島」を販売中で、担当者は「利便性の向上を見込み、住宅地としての人気は上昇するのでは」とみる。

リニア効果


 27年開業予定のリニア中央新幹線神奈川県駅(仮称)の建設工事が進む橋本駅周辺も住宅地・商業地ともに高い上昇が続いた。県立相原高校移転後には、広大な敷地を再開発する計画が進む。「関西へのアクセスが格段に良くなるため、企業からの引き合いも増えている」と話すのは、サーティーフォー(相模原市緑区)の吉武浩副社長。「地権者の期待値も上がっているが、リニアが開通するのは数年後のこと。タイミングを計っているため売り急いでおらず、品薄感もあり価格が高止まりしている。事業の進捗(しんちょく)を受けて発展的期待感が高まっている」と話す。

複々線化に期待


 昨年に続き住宅地の上昇率6位、7位となった川崎市多摩区の登戸は、小田急登戸駅の利便性向上の期待感で上昇幅も拡大した。小田急電鉄は「複々線化」で輸送力を増強。登戸駅では新たに整備した1番線ホームと北口改札の使用が開始された。

 複々線化への期待は高く、小田急不動産では、同線と並行して走る京王線沿線との利便性などを比較している顧客から「登戸~新百合ケ丘周辺」への関心が高まったという。同社仲介事業部渡邊裕介さんと松崎康伸さん(向ヶ丘遊園店副店長)は「駅周辺の区画整理とも相まって、登戸駅への注目度は高くなっている。このエリアの期待感を感じる」との認識を示した。

交通足かせ


 住宅地の下落率がワースト3を占めた三浦市。市の担当者は「税収にも結びつく問題であり、残念。人口減少が進む地域ではやむを得ない。地価が少しでも回復する施策を進めていくしかない」と受け止める。

 市内の空き物件に短期滞在してもらう「トライアルステイ(お試し居住)」や、空き家の所有者と利用希望者らをつなぐ「空き家バンク」などの人口減対策が、下落のスピードに追いついていないのが実情だ。

 3位までの地域は交通の便が悪く徒歩圏に店舗も少ない。不動産業者は「移住者にしても地元住民にしても、新しく家を建てる時に、選ばれにくいエリアになっている」と話す。

 浜銀総合研究所調査部の湯口勉研究員は「県内の基準地価の推移を見ても価格のばらつきが大きくなってきている」と指摘。その上で、「住宅地の平均変動率は、全国が0・3%、東京圏が1・0%であることを鑑みると、神奈川県の0・1%という数字は弱く、ほぼ横ばいを確保したという印象。実質的な所得が伸びていないなどの理由で不動産の取引が活発にならず、住宅地の価格を抑えている側面もある」と分析した。

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