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食の現場 経済記者が行く 卸売会社社長インタビュー
変わる横浜中央市場【番外編】 改正法施行でどうなる

経済 | 神奈川新聞 | 2020年2月20日(木) 18:00

 改正卸売市場法が6月に施行される。法改正により市場はどう変わるのか。横浜市中央卸売市場本場(同市神奈川区)の卸売会社、「横浜丸魚」の芦沢豊社長(67)と「横浜魚類」の石井良輔社長(65)に聞いた。

連携して顧客獲得へ

横浜丸魚 芦沢豊社長(67)


横浜丸魚 芦沢豊社長
横浜丸魚 芦沢豊社長

    ─卸売市場法の改正ポイントは。

 「大きく分けて四つある。卸売業者から仲卸業者や売買参加者以外へ直接販売する第三者販売の禁止、仲卸業者が卸売業者以外から仕入れる直荷引(じかにび)きの禁止、商品を市場へ搬入する商物一致といった原則が見直され、市場ごとに自由にルールを決められるようになった。もう一つは市場の運営方法。これまで中央卸売市場を開設できるのは国の認可を受けた都道府県や人口20万人以上の市に限っていたが、改正法は国が認定すれば民間企業による運営を可能とした」

 ─横浜市中央卸売市場の運用ルールはどう変わるのか。

 「前者の三つは規制を緩和し、自由化する。一方、運営方法は公設公営として横浜市が開設運営の役割を引き続き担う」

 ─どういった理由か。

 「横浜市中央卸売市場の始まりは『横浜市民の台所』がテーマ。市民に対して生鮮食料品を安定供給していくという重要な公共的役割は今後も求められている。また、市が開設者になることで中小企業振興や商店街活性化とも連動し、市場活性化への効果も期待できる」

 ─仲卸からは、「卸に顧客を奪われる」と不安視する声もある。

 「横浜市の独自のルールとして、卸売業者が小売業者など第三者に新規で販売する場合は、開設者である市に事前に届け出ることにした。新規顧客のリストは仲卸も見ることができる。卸が仲卸の顧客を奪うようなことはしていないという証明にもなる」

 ─今後、どのように市場を活性化させていくか。

 「卸、仲卸が連携して新規顧客を獲得していく必要がある。まだ市場を活用していない地元飲食店などに売り込んでいきたい」



新規ビジネス可能に

横浜魚類 石井良輔社長(65)


横浜魚類 石井良輔社長
横浜魚類 石井良輔社長

    ─市場法改正をどう受け止めているか。

 「法改正で急に何かが大きく変わることはないと思う。市場を活用してもらえるのであればどんなお客さんも受け入れなければいけないし、出荷者として商品を出荷してくれるのであればどんな条件でも受け入れないといけないと感じている」

 ─水産物の市場経由率がだいぶ下がっているが。

 「漁獲量が減っていることも要因だが、流通する魚介の形態が変わっている。鮮魚ではない加工品や冷凍品が増え、そういったものは市場を経由しない。実現は難しいが、市場として一つ大きな加工施設を持ち、みんなが使えるようになれば、鮮魚加工ができる市場として強くなる、という思いはある」

 ─法改正が新たなチャンスを生むことはあるか。

 「これまで卸売会社は産地から委託集荷した魚介を自社で購入することはできなかった。法改正により今後は自社で買える。社内で加工品専門の部署を立ち上げ、そこで作った加工品を量販店に出すことができるようになる。実現すれば画期的だ」

 ─規制が緩和され、できることも多くなった。

 「卸も仲卸もこれまでは市場外で自社の名前で小売りができなかったが、これからはできる。店舗を出すことは考えていないが、ネット販売という方法はあると思う。例えば『横浜市中央卸売市場がお薦めする魚』という形で売り出す方法もあるのではないか」

 ─横浜市中央卸売市場としてのブランド力が求められる。

 「水産物部の経営ビジョンを基にPRなど一生懸命やっている。認知度は多少上がったが、まだまだ時間がかかる。草の根活動として続けていかなければいけない」

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