空調機を主力とする富士通ゼネラル(川崎市高津区)は、インドでの販売を強化する。同社は空調機事業の売上高を2016年度の2324億円から20年度に3600億円へと55%増やす中期経営計画を立てており、インドでは商品戦略の強化や現地生産を検討するなど、販売戦略の再構築で16年度比2倍の売り上げを目指す。
同社は売上高の9割を空調機事業が占め、空調機の海外売り上げが全体の6~7割を占めるグローバルメーカー。16年度の空調機の海外売上高は1769億円で、欧州が25%(449億円)、中東・アフリカが22%(396億円)、米州が19%(329億円)、インドを含むアジアは12%(202億円)だった。
インドのルームエアコン市場は年間約430万台と推定されており、国別では中国、北米、日本に次ぐ世界4位の規模。人口13億人超のインドは今後も人口増加が見込まれ、持続的な経済成長も期待されることから、近い将来日本を抜き世界3位の市場に成長すると推測されている。
インドでは電源を切ることでしか温度調節できない一定速エアコンが市場の約7割を占めているが、環境規制強化に伴って省エネ製品へのニーズが高まり、今後は同社が主力とするインバーターエアコンの需要が拡大するものと見込まれている。
インドでは今年1月から、新たな省エネ基準・省エネラベリング制度が改定・施行された。これに合わせて同社は2月から、エネルギー効率が高く新省エネ基準に適合したインバーターエアコンの新機種5種を投入し、全25機種としてラインアップを強化した。
新機種は、現地の不安定な電力事情に対応し155ボルト~265ボルトの範囲で運転が可能。また、外気温が52度でも運転できるようにした。
同社は「今回の省エネ規制強化を契機に、省エネ性能を重視した商品の強化を図り、インドのエアコン市場におけるビジネス拡大を目指したい」としている。