不動産業を中核に多角的な事業展開を進めるサーティーフォー(相模原市緑区)は28日から、外国人留学生に特化した人材紹介サービスシステム「SPeak(スピーク)」のトライアルリリースを開始する。グローバル人材を求める企業と、日本で働きたい留学生をオンライン上でつなぐプラットフォーム。既存の人材採用の枠組みを超え、より多くの出会いを創出することが目的だ。
日本で学ぶ外国人留学生は増加傾向が続いており、2017年5月時点では前年同期比11・6%増の26万7042人で、5年前と比較しても約10万人増加(日本学生支援機構調べ)。しかし、日本国内での就職率は30%にとどまっている。
同社人材マッチング事業部の唐橋宗三さんは「日本で働きたい気持ちを持つ外国人留学生は多いが、日本の就職活動の慣習が分かりづらく、機会を逸してしまうケースもある。また、留学生に特化した合同会社説明会も増加しているが、知名度のある企業に学生が集中しやすく、費用対効果が得られないと感じている企業も多い」と指摘する。
こうした課題を踏まえ、唐橋さんは「優れた技術を武器に世界展開を行っている国内企業が、優秀な留学生を採用できる仕組みを作りたかった」と語る。米国留学中にグローバル人材の合同ジョブフェア運営に携わり、日本の優良企業の知名度が低いこと、また日本流の就職活動に疑問を感じたことが、SPeak立ち上げの原点となった。
SPeakでは随時、企業と留学生が互いにアプローチ。サイト上で企業訪問日を調整し、訪問後は企業側の評価を留学生に伝えることができる。同社によると、留学生に企業が直接接触できる採用システムは業界でも初の試みで、すでに複数の企業や留学生から賛同を得ているという。
留学生はすべてのメニューを無料で使用でき、企業側はシステム利用料を支払う(100社に達するまでの期間は無料)。インターンや職員として企業に雇用されてからも、留学生が企業に定着できるようSPeakのメンター(助言者)がフォローするサービスも用意した。今後は、企業と留学生が相互理解を深められるようなイベントを計画しているという。
今春には本格的なリリースを行い、年内に100社300人、5年後には3千社1万人の登録を目指す。「留学生は大学1、2年生の時から積極的に企業訪問をし、将来につなげてほしい。企業が優秀な留学生と一人でも多く出会えるよう、関連団体とも連携していきたい」と唐橋さんは展望を描いている。