
県住宅供給公社(横浜市中区)と東京工芸大学(東京都中野区)が、同大学厚木キャンパス(厚木市)近くにある団地の再生に向け連携協定を結んだ。同大学が持つ建築やアート分野の専門知識を生かしたり、学生が実際に団地に居住したりすることで、入居率の上昇や少子高齢化が進む地域コミュニティーの活性化を目指す。
協定は1月29日付け。連携事業は、厚木キャンパスから約2キロ離れた場所にある緑ケ丘団地(全12棟、400戸)で実施する。同団地は築約55年で、入居率は約67%。契約者ベースでの高齢化率は約58%に上る。
協定後の取り組みとして、団地に学生が入居し、学生と同公社、地域住民で地域コミュニティー活性化を目指す「団地活性サポーター制度」を導入。最上階(4階)の4戸に学生が住み、清掃活動や団地のイベントへの参加、高齢単身世帯への声掛けなどを行っていくという。
また、建築学科の学生がリノベーションプランの設計や室内の環境測定などを行えることから、同公社は建築やデザイン、住環境など大学側が持つ専門分野を生かした空き部屋の利活用や新たな住まいの提案を求めていく。
同公社は昨年、団地活性サポーター制度の第1弾を浦賀団地(横須賀市)で導入。県立保健福祉大学の学生らが、団地の催しへの参加や栄養相談などを行っているという。
同公社は「空き部屋の解消やコミュニティー活性化に効果が期待できる。公社と大学の双方にとって付加価値のある取り組みを行っていく」とした。