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「つみたてNISA」開始1カ月 金融機関の評価は相半ば

経済 | 神奈川新聞 | 2018年2月5日(月) 02:00

投資への関心が低い日本の現状などを紹介したつみたてNISAのセミナー=1月21日、横浜市西区
投資への関心が低い日本の現状などを紹介したつみたてNISAのセミナー=1月21日、横浜市西区

 長期的な資産形成に意欲がある投資初心者を対象にした少額投資非課税制度(NISA)の長期積立枠「つみたてNISA」が開始され、およそ1カ月。金融庁が主導する制度で、年40万円まで、最長20年間の収益が非課税になる。特に若年層の投資への関心を高める狙いがあるが、販売手数料は原則ないため、金融機関にとっては収益への貢献があまり期待できない側面もある。新制度は浸透していくのか。県内金融機関の動向を報告する。

取り扱いは半数


 県内の10金融機関のうち、つみたてNISAを取り扱っているのは、横浜銀行(横浜市西区)と神奈川銀行(同市中区)、横浜信用金庫(同)、かながわ信用金庫(横須賀市)、平塚信用金庫(平塚市)の5機関。

 扱わない選択をしたり、今後の検討課題という金融機関は、半数に上る。「需要があまり見込めない」「導入の初期費用に見合う収益が見込めない」といった理由のほか、ある信金担当者は、「本業は別。投資信託の販売で十分と思っている」と話す。それほど需要が高くない、との見方が根強くあるのが実情だ。

 一方で、取り扱う金融機関にとって、将来の顧客取り込みに向けた期待は大きい。平塚信金は「単体での収益は少ないが、若年層や資産形成層など、顧客層の拡大につながることに加え、顧客満足度の向上も狙っている」と話す。

「興味ない」9割


 現在、取り扱っている金融機関では、関心の高さを感じているという。つみたてNISAの口座開設が約200件あったという神奈川銀行の担当者は「地道な営業活動に対して、一定の成果が上がっている」と話し、手応えを感じている。

 積極的な宣伝活動を行っていない信金でも「およそ50件の口座開設があった。予想以上で40~50代が多い」(横浜信金)、「問い合わせなどを受けての肌感覚では、関心は高いと感じる」(かながわ信金)としている。

 ただ、横浜銀行は申し込みが約1600件に上ったものの、川村健一頭取は「あまり浸透していない」と吐露する。同行では昨年、支店の現金自動預払機(ATM)コーナーなどで顧客に聞き取り調査したところ、投資に「興味がない」との回答は約9割に上った。「魅力をなんとか一人でも多くの人に伝えなければ、と思う」(川村頭取)といい、取り扱いが始まった1月以降も各地で積極的にセミナーを開催し、周知を続ける。

やれば「分かる」


 「つみたてNISAはもっと盛り上げられる」。こう力を込めるのは、コモンズ投信の渋澤健会長だ。セゾン投信の中野晴啓社長、レオス・キャピタルワークスの藤野英人社長兼最高投資責任者とともに「草食投資隊」として、全国で積極的に講演している。リスクが低く抑えられる長期積み立て投資の魅力を、より多くの人に伝える狙いだ。

 3氏は1月21日、横浜銀行主催のセミナーで長期投資について解説し、自社のつみたてNISA向け商品を説明。講演では、家計金融資産で日本は現金・預金が51・5%、債務証券や投資信託、株式などの投資が計16・8%を構成する一方、米国では前者が13・4%、後者が52・4%という日本銀行のデータ(2017年3月末時点)を提示。投資に目が向かず預金に熱心な日本人の現状を指摘した。

 中野社長は「つみたてNISAは20年続けるようにしっかりと誘導すれば、全員のお客さまを幸せにできる」と力説する。だが、3氏が講演で口座開設をした人を問うと、ほとんどいないのが実情。藤野社長は長い目で見ることの必要性を感じているという。「時間が必要。まだ始まったばかり。10年でもやり続ければ、いい物は分かる」

 

つみたてNISA 上限120万円、期間5年のNISAより、投資できる金額の上限は低いが期間は4倍となり、総額は最大800万円。対象商品は長期運用に適した投資信託と上場投資信託(ETF)で、金融庁が一定の条件を付けている。貯蓄から投資への流れを後押しする狙いもある。1人1口座のみ、開設できる。

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