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暖冬で野菜値崩れ、廃棄2倍 三浦ダイコンも深刻

経済 | 神奈川新聞 | 2020年1月27日(月) 05:00

 暖冬の影響で、ダイコンやハクサイなどの野菜が平年よりも20~40%程安い価格で取引されている。暖かい日が続き作物が順調に育ち出荷が増えていることに加え、鍋料理での需要が伸び悩んでいることが影響しているという。消費者にとって価格低下は好ましいことだが、野菜を生産する農家や取り扱う卸売業者からため息が漏れる。

 三浦市内のダイコン農家が暖冬の影響に苦慮している。三浦市農業協同組合によると、今シーズン、特産のダイコンは大きめのサイズが多く収穫され、例年よりも安値に。鍋物野菜への需要も減っており、例年だと1月の10キロ当たりの卸値は900~千円ほどだが、今年は平均750円ほどに落ち込んでいるという。


ダイコン農家の宇田川さん。手に持っているのが一般的なサイズだが、今年は規格外など大きめのもの(手前)が多いという=三浦市内
ダイコン農家の宇田川さん。手に持っているのが一般的なサイズだが、今年は規格外など大きめのもの(手前)が多いという=三浦市内

 県内では今冬の平均気温が平年より高い。雨も多く三浦では、成長しすぎて規格外になったダイコンなどの廃棄も生じている。市内3地区の約110世帯の農家から野菜残渣(ざんさ)を受け入れる汚泥処理施設「三浦バイオマスセンター」では、例年11月~4月の搬入量は約1500トン~2千トンだが、今シーズンは今月23日までに1300トンを超えた。冬場の搬入はほぼダイコンという。

 市内のダイコン農家、宇田川喜昭さん(56)は「廃棄の量は例年の2倍以上。少し大きいだけで他は問題がないのにもったいない。出荷できても値段は安く、農家は赤字」と肩を落とす。宇田川さんの畑では大根の出荷は3月末まで続くものの、「温暖化の影響か暖冬はここ数年続いている。このまま暖かい日が続くと心配」と表情を曇らせる。

 同農協の担当者は「廃棄に対して『もったいない』との声も寄せられるが、大きい品が市場に出回れば在庫が増え、市場での価値が下がる。規格を守ることは農家の自己防衛」と説明。「消費者に食べてもらわないとどうしようもない。国産野菜を多く消費するなどし、国全体で農家を守ってほしい」と訴えた。

鍋野菜の需要減

 野菜の販売価格の低下について、青果卸の横浜丸中ホールディングス(横浜市神奈川区)の担当者は「暖冬による鍋野菜の需要減の影響が大きい」と話す。

 
 

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