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業種超えた「社員食堂」 今春鎌倉駅西口にオープン

経済 | 神奈川新聞 | 2018年1月29日(月) 15:07

今春、JR鎌倉駅西口にオープン予定の「まちの社員食堂」の完成イメージ(カヤック提供)
今春、JR鎌倉駅西口にオープン予定の「まちの社員食堂」の完成イメージ(カヤック提供)

 鎌倉で働く人、定食を楽しみながらつながりを深めませんか-。鎌倉市内の事業所に勤める人を対象に、地元の名店が週替わりで定食を提供する一風変わった「社員食堂」の開設計画が進んでいる。鎌倉に立脚した多様な事業展開を進めるIT企業が旗振り役となって今春、JR鎌倉駅西口にオープンを予定している。社員の福利厚生で、安価に食事を提供する従来の社食の役割を超え、鎌倉という共通のフィールドで働く人の業種を超越した人的交流の結節点を目指す。賛同の輪が、地元企業や行政などに広がりつつある。

 鎌倉で働く人たちが集う共有型の社食づくりを主導するのは、ソーシャルゲーム配信が主力のカヤック(同市)。不動産事業を行うグループ会社の新社屋建設に合わせ、1階を「まちの社員食堂」として、会員となった企業、団体などに開放する計画だ。社屋は3月末に完成予定で、食堂も4月中の開店を目指す。

 カヤックによると、社食を利用できるのは、理念に賛同して会員となった鎌倉市内の企業、団体、公的機関で働く人を想定。会員とともに訪れた人や、会員でなくても、名刺などで市内在勤を確認できれば利用できる。このほか、2月からインターネットを通じて資金を募るクラウドファンディングを開始し、出資者には利用チケットを配布して、ネットワークを広げる考えだ。

 市内唯一の上場企業で、ゲームやネット広告を中核としつつ「面白法人」を掲げて鎌倉に根差した葬祭や不動産など幅広い事業展開で知られるカヤック。柳澤大輔CEO(最高経営責任者)は、異色の社食に懸ける思いを「成熟社会の中で、GDP(国内総生産)の指標や金銭的利益の追求だけでは、人は幸せを感じられなくなっている」と指摘。「鎌倉で働く人たちが、地元に根差した食事を通してつながりやコミュニケーションを豊かにすることで新たな価値や発想が生まれる。そこに個人、企業、地域を成長させ、幸せにするヒントがある。それを可視化して鎌倉モデルを発信する場にしたい」と期待する。

 「まちの社員食堂」はテラス席を含め30席程度を用意。地元の飲食店や食品メーカーが1週間交代で「健康的でおいしい」にこだわって調理や食材調達を担い、月~金曜の朝、昼、夜に自慢の定食を提供する。料金は朝600円、昼900円、夜千円程度を想定している(会員はすべて100円引き)。

 カヤックによると、現時点で証券会社の支店や不動産、ITベンチャーなど約20社が会員として参加に前向きといい、鎌倉市や市観光協会、鎌倉商工会議所なども巻き込みたい考え。カレーや和食、ハムなどを提供する地元の飲食店や食品メーカー20数社からも協力の意向が示されている。柳澤CEOは「目指すのは、鎌倉で働く人のつながりを生かした社会資本の蓄積。GDPに代わる新たな指標を示すのも地元企業の役割」と意気込む。

 
 

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