帝国データバンク横浜支店が25日までにまとめた県内企業への意識調査で、2018年の景気の懸念材料に「人手不足」を挙げた企業が最多となった。前年調査から20・6ポイント増の47・3%と、1年で倍増。人手が足りず仕事が受注できないといった例も出ており、約半数の企業が景気への悪影響を懸念していることが分かった。
人材確保を巡り企業からは「賃金を上げざるを得ないが、大手はさらに好条件で採用活動をしている」(警備業)と、競争激化を指摘する声も上がった。
他の懸念材料としては「原油・素材価格上昇」が12・9ポイント増の36・8%、「消費税制」が8・2ポイント増の23・5%と続いた。次いで、中東や東アジアの情勢不安を受け「地政学リスク」を懸念する企業が12・5ポイント増の20・5%と大幅に増加。「米朝が戦争になれば景気回復ムードなど一気に吹き飛ぶ」(化学品卸)との声もあったという。
17年の景気動向は、「回復」局面だったとする企業は14・6ポイント増の21・2%で、「踊り場」局面が3・2ポイント減の50・1%。「悪化」局面は9・8ポイント減の9・1%と、4年ぶりに一桁台となった。
また、18年の景気見通しは「回復」を見込む企業が10・1ポイント増の22・6%、「踊り場」局面が0・4ポイント減の42・0%、「悪化」が6・3ポイント減の9・6%。06年の調査開始以来、初めて「悪化」が一桁台となり、景気の先行きが上向いていくと見込む企業が1年前より増加した。
今後、景気回復のために必要な施策は「個人消費拡大策」が40・1%、「所得の増加」が38・2%、「個人向け減税」が35・0%と、消費関連がトップ3を占めた。
同支店は「企業は海外動向での政治リスクの高まりを懸念しつつも、景気の先行きを前向きに想定し始めている。今後、政府は消費活性化や人手不足の緩和などの政策を進めることが一段と重要だ」としている。