信用調査会社の帝国データバンク横浜支店(横浜市中区)が2日発表した消費増税に伴う「駆け込み需要の有無」について聞いた意識調査によると、「なかった」とする比率が県内は76・4%と全国の都道府県でトップだった。「あった」とする比率も18・1%で最少だった。
駆け込み需要が「なかった」とする回答は全国平均の66・7%に対し、県内は約10ポイント高かった。2位は群馬県(73・8%)、3位は島根県(72・9%)だった。同支店の担当者は「製造業や建設業の立地が比較的多いという県の特性が順位に影響している」と分析している。
県内の回答を業種別でみると、「なかった」とする比率が最も高かったのはサービス業で86・4%、次いで製造業(80・3%)、建設(78・4%)と続いた。
一方、駆け込み需要が「あった」とする業種で、最も高い比率だったのは、金融で66・7%、次に小売(42・9%)、卸売(26・7%)だった。
企業からは「期待したほどの駆け込み需要はなかった」とする声が聞かれた、としている。
駆け込み需要後に起きるとされる「反動減」については、県内企業の60・8%が「ない」と回答。サービス業や建設、製造、運輸・倉庫といった業種で6割を超えた。
駆け込み需要があった企業でも、そのうち3割超が「反動減はない」との答えだったという。
こうしたことから、帝国データバンクは「増税が景気に対し与える悪影響を抑制する政府による各種の措置が奏功している様子もうかがえた」と分析。その上で、「キャッシュレス・ポイント還元」が来年6月末に終了した後に生じる「反動減」を危惧する声もあったという。
政府に対しては「一時的な需要平準化策だけでなく、所得増加など消費の基盤となる対策を継続的に打ち出すことが求められる」としている。
県内の調査対象は1056社で、このうち436社(回答率41・3%)が回答した。