24日に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開幕する東京モーターショーでは、電気自動車(EV)や運転支援技術に加え燃料電池やモーター技術を使った次世代の車がめじろ押しだ。先進技術を積極導入する完成車メーカーの動きに合わせて、県内の自動車部品メーカーもさらなる軽量化や、増える情報の統合表示技術に力を入れている。近未来の車に対応した部品メーカーの取り組みを紹介する。
「今やモデルチェンジのたびに、15%前後の軽量化を要求されています」
こう明かすのはサスペンション部品大手のヨロズ(横浜市港北区)。開発を担当している仲里秀利グループ長が解説する。
バッテリーを積んだハイブリッド車やEV、モーターとエンジンの両方を駆使する電動化技術の採用によって車は従来より重くなっている。さらに運転支援技術の充実によりセンサーやレーダー、カメラの搭載数も格段に増えた。
そこで完成車メーカーは、車の基幹部分についてさらなる軽量化を加速させているというわけだ。
ヨロズではレーザー溶接とアーク溶接を同時に行うことでサスペンション部品に使われる鉄板の厚みを従来の約2ミリから1・6ミリ以下に仕上げる技術を開発、従来品より3~4%軽く、しかも剛性を高めることに成功した。
軽量化の要求を満たすために、細部にわたり工夫を凝らし続けている。例えばブレーキペダルレバー。鉄製の厚さ8ミリの板を曲げた製品の場合は、材料費も加工費も安価だが重たい。これを厚み1・6ミリの筒を曲げた製品にすることで高強度化し軽量化に成功した。さらに価格を抑えるために2枚の鋼材を、もなかのように貼り合わせて高強度化と軽量化、低価格化を成し遂げたという。
タイヤのホイール形状を工夫することで燃費性能を高めたのは、自動車用ホイールを綾瀬市で製造しているトピー工業(東京都)だ。