
31日のハロウィーンに向け、人間の目玉や脳、怪物などをリアルに表現した飲食店の限定メニューが話題を呼んでいる。画像共有アプリ「インスタグラム」など会員制交流サイト(SNS)を意識し、インパクトが強く写真映えすることから、各店ではSNSでの拡散による集客増に期待を寄せている。
約20年前からハロウィーン・イベントを開催しているJR川崎駅近くの大型商業施設「ラ チッタデッラ」(川崎市川崎区)。施設周辺で行われるパレードは今や国内最大級のイベントとして有名で、来館者にハロウィーン気分を盛り上げてもらおうと、昨年から各店でゾンビをイメージした「ゾンビ飯」の提供を開始した。
今年は5店舗で、それぞれが趣向を凝らした料理を用意。レストラン「ザ・グリルマーケット」では、平日午後5時から前菜の「キモ旨(うま)目玉ピンチョス」(980円)を提供する。目玉はクリームチーズとオリーブ、ピンクペッパーを使い、目の充血は糸トウガラシで表現している。

JR横浜駅西口の「横浜ベイシェラトン ホテル&タワーズ」(横浜市西区)では、怪物やお化けの顔をデザインしたスイーツが並ぶスイーツビュッフェ(4200円)を10月の木、金曜夜間に開催。断面がお化けの顔になっているパンプキン風味のパウンドケーキやメレンゲで作った目玉が入ったパンナコッタなどが並ぶ。
見た目のインパクトだけでなく、フランケンシュタインの顔を模したケーキは緑色の顔をピスタチオのムース、口から流れる血にはベリー系ソースを使い、味にもこだわった。広報担当の大川真実さん(52)は「見た目は怖いが、味は上品に仕上げた。写真を撮ってSNSに投稿する女性も増えている」と評判は上々という。
日本記念日協会(長野県佐久市)の推計によると、2016年のハロウィーンの市場規模は約1345億円に上り、バレンタインデーの約1340億円を初めて上回った。今後も市場拡大が見込まれるとともに、「独自の進化を遂げた日本のイベントを目当てにする訪日外国人客(インバウンド)も多い」(同協会)と、インバウンドビジネスとしての可能性も。
「ラ チッタデッラ」広報担当の川辺出さん(38)は「SNSでのスピーディーな情報拡散が、国内外への強力なPRになる」と期待した。