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山田隆広税理士に聞く
インボイス制度(上) 免税業者排除を懸念

経済 | 神奈川新聞 | 2019年9月30日(月) 18:00

インボイス制度について語る山田税理士
インボイス制度について語る山田税理士

 10月から日本の税制度が大きく変化する。消費税が10%に増税されるのと同時に軽減税率が導入され、これまでの単一税率から複数税率へと変わる。さらに2023年から、複数税率に対応した消費税の仕入れ税額控除の方式として「インボイス制度」(適格請求書等保存方式)もスタートする予定だ。今回の税制度改正は、事業者や消費者にどのような影響を与えるのか。税制度やインボイスに詳しい山田隆広税理士に聞いた。

 -インボイスという言葉になじみがありません。

 「インボイスはもともと、通関手続きに必要な送り状のことで、国境を越える取引が圧倒的に多かったヨーロッパで商取引慣行として定着しました」

 -どのように消費税と結び付いたのでしょう。

 「1957年、フランスなど6カ国が経済統合の実現を目的とする国際機関、欧州経済共同体(EEC)を誕生させました。標準的な税制をつくることになるのですが、それぞれ独立した主権国家なので課税権は各国にある。ではどうしたか。各国の個別の消費税をそっくりそのまま、共通の付加価値税(日本の消費税に相当)に取り組むために、複数税率制度を導入したのです」

 「その際、消費税の計算に使用したのがインボイスなんです。例えば、イタリアから輸入したワインがフランスに入ってくる。フランス国内で流通する場合、その商品がワインであること、価格、仕入れ税額がいくらかを確認する書類が必要になる。ここでインボイスを使いましょう、と。それまで通関の送り状として使用してきたインボイスを各国内の付加価値税の『仕入れ税額控除』の手段として使おう、と。これが、いわゆる消費税のインボイスの始まりなんですね」

仕入れ税額控除

 -なるほど。日本でも仕入れ税額控除という仕組みはありますよね。

 「事業者が商品、サービスを販売する場合、原則として消費税が課される。納付する税額は、売り上げに関わる税額から仕入れに関わる税額を控除した額です。これが仕入れ税額控除です。これまでは、取引先が発行した請求書等を保存することだけで、仕入れ税額控除が可能でした」

 -10月から軽減税率が導入され、単一税率から複数税率となります。何か変わりますか。

 「今後4年間は、請求書などを保存して帳簿を付ける方式は変わりませんが、標準税率と軽減税率を分けて書くように消費税の書き方が変わります。まず、標準である10%の商品。これを税抜きで書く。1万円なら1万円、税率10%、消費税千円。もし、一緒に軽減税率の商品を販売するのであれば、商品名、金額2万円なら2万円、税率8%、消費税1600円と書く。合計も、税抜きの額に加えて、消費税の額を10%と8%に分けて書くことになる。ただこの方式はインボイスではありません」

 -インボイスはどのような方式なのでしょうか。

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