
働く女性のファッションニーズが多様化しているとして、今秋、横浜市内の百貨店の婦人服売り場が刷新されている。従来のようなかっちりとしたスーツではなく、流行を取り入れた仕事服が人気上昇中。購買意欲が盛んな50歳前後をターゲットにした新店舗もあり、低調が続く衣料品販売に弾みをつけたいとしている。
横浜高島屋は1日から順次、婦人服・紳士服売り場をリニューアル。婦人服には働く女性の増加や仕事服のカジュアル化に伴い、オン・オフで兼用できるアイテムがそろった「トーナル」など、10月までに10ブランドが新たに加わる。
同店など高島屋6店舗が新しくスタートさせた自主編集売り場「シーズンスタイルラボ」は50代前後の女性がターゲット。バイヤーの日比野京子さん(46)によると、50代前後は子育てが一段落したり、仕事で役職が増えたりとライフステージが変化する年代。「バブル世代とも呼ばれ、ファッションへの感度が高い。トレンドとベーシックを兼ね備えた商品を充実させた」。働く女性向けのカーディガンなどのバリエーションも豊富にそろえたという。
そごう横浜店では9日、5年前にオープンしたコーナーで、女性の仕事服に的を絞った3階の「リミテッドエディション@オフィス」を一新。「女性のスーツは収納が少なく不便」といった声をもとに、全てのジャケットにシルエットを崩さずに名刺入れなどが収納できる内ポケットを装備した。
仕事服のかっちりとしたイメージから離れ、パンツの場合は裾に向けて幅が狭まるテーパードやストレートを用意するなど、普段使いにも応用できるように品ぞろえを意識。4階には主に管理職の女性をターゲットにしたコーナーをオープンし、質の高いパターンオーダーやメーカーの別注品などに応じている。担当者は「百貨店ならではの上質商品と専門性の高い接客で顧客ニーズに対応したい」と話している。