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衆院解散・IR法案先送り 有力候補地の横浜経済界、思い複雑

経済 | 神奈川新聞 | 2017年9月29日(金) 12:18

衆院解散直後の28日夕、定例会見でIRに言及する横浜商議所の上野孝会頭(左)。右端は川本守彦副会頭=同商議所
衆院解散直後の28日夕、定例会見でIRに言及する横浜商議所の上野孝会頭(左)。右端は川本守彦副会頭=同商議所

 28日午後の衆院解散。それは、カジノを解禁する「統合型リゾート施設(IR)実施法案」の審議が棚上げされた瞬間でもあった。政府が8月に全国で公聴会を開き、秋の臨時国会では同法案の成立が予想されていた。横浜は有力候補地と見なされ、IR誘致推進派にとって追い風が吹いていたタイミングで、再び待ったがかかった形。地元経済界の受け止めは複雑だ。

「内心では無理」


 「飛んだな」。解散風が吹き始めた9月下旬、IRに関心を寄せていたある金融関係者は、カジノ解禁は事実上、頓挫したとの見方を示した。そもそもIRに関する議論を巡っては、2014年の衆院解散で整備推進法案が一度、廃案になっている。「巨額の投資を呼び込むと聞くが、内心では無理だろうと思っていた」。別の関係者も「間違いなく(カジノ解禁の)プライオリティーは、下がるね」。多くを語らなかった。

 くしくも28日、IRの誘致・推進の旗振り役である横浜商工会議所で定例会見が行われた。「商議所の活動に大きく影響する」と懸念を隠さなかったのは上野孝会頭だ。「新政府の下で早急な審議再開を」と求めた。その一方、IR誘致の“急先鋒(せんぽう)”である川本守彦副会頭は「IRに対する横浜市民の理解を得る好機。ポジティブに考えたい」とあくまで前向きな姿勢を見せた。

 カジノ解禁によるギャンブル依存症に対する懸念をはじめ、青少年健全育成への影響、反社会的勢力の介入などを不安視する市民の声は、依然根強い。国の公聴会でも民間企業の多くがカジノ解禁の経済効果を強調する一方、市民団体はギャンブル依存症への懸念を表明し、賛否は分かれた。「そもそも国によるIRの区域認定は20年以降の見通しだった。じっくり腰を据えてやればいい」(川本副会頭)

足並みそろわぬ



 同商議所は昨年11月、横浜へのIR誘致などを求める要望書を安倍晋三首相宛てに提出していた。その後は「オール横浜」(上野会頭)体制で機運を盛り上げようと、地元経済団体が連携した推進協議会の発足も視野に入れていたが、その行方について川本副会頭は「しかるべき時期に」と述べるにとどめた。

 推進協の動きが具体化しないのは、法案審議が先送りとなっていることに加え、地元経済界の足並みがそろわないことも一因だ。IR誘致の候補地として有力視されている山下ふ頭(横浜市中区)を巡り、カジノを除いた観光開発を行うべきとする方向性を打ち出すのは、横浜港運協会の藤木幸夫会長だ。

 14日の会見で藤木会長は「カジノは不要」と改めて強調。国内最大の国際展示場を中心とした大型集客施設(MICE施設)を整備するべきとの考えを表明した。これに対し上野会頭は28日、「港運協会の提案を否定するものではない」と断った上で「IRかMICE施設かの二択ではない。同時に進めないと横浜の将来はさみしい」と述べた。

効果に疑問視も



 「あまり『選挙がどうの』と考えていない」。京浜急行電鉄社長で横浜商議所・IR研究会の座長を務める原田一之氏は冷静だ。IR実施法案の行方を注視しつつ、「横浜の街づくりの観点からIRの有効性を考えたい」と話す。

 同研究会が昨秋まとめた報告書では、横浜への経済波及効果について5595億~6710億円の効果があり、6万6千~7万9千人規模の雇用創出が見込めるとうたう。だが、地元商店街のある経営者は素っ気ない。「カジノで市内商店街が活気に沸くなんて、誰も思っていない」

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